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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“螺”3

視点は変わり研究所では翔が聞いた話を元に各地の調査を行っていた。

半信半疑な博士達だったが神威がゾンビとは何かを聞いていた。

「我はよく分からんのだがそのゾンビとは一体?」

黒姫がどの種の話をすべきかと思案しているとカスパーが顔を青ざめながら答える。

「歩く死人さ、人を好んで食したりするらしいぞ…いや、実際に見たことはないんだが」

「ふむ?つまり伝聞の中にいる存在?魔物かね?」

カスパーはそこは分からないと首を傾げて黒姫を見る。

「そ、そこまで言うなら答えてくださいよ…魔物でもいるでしょうけど…違う場合は厄介な存在じゃないかなと…」

「どう厄介なのだ?」

「噛まれたらゾンビの仲間入り…とか?」

興味深いと神威が呟いて考え込む。

「しかし、なぜ発生したのか…向こう側が関係するならそれは神の力ではないか?」

「死人を操る神など…!」

カスパーが顔をひきつりながら答えると黒姫が思い出したかのように口を開く。

「思い出しました!神螺の力です」

カスパーが驚き目を丸くする。

「しかし、あれは強制進化させる力…死人にするとは思えんが」

「人が魔族…あ、神螺の世界の住人の力で怪物化するとゾンビのようになっていたんです、神楽先生の世界でですけど」

「…ではこれは我々の世界からの攻撃の一種?ウィルスやなんやではなく!?」

カスパーの言葉に神威が呆れて言う。

「死人を生き返らせるウイルスとかあるわけ無いだろ、あったらとんでもない薬になる」

「あ、いや…コホン、失敬…神の力と分かれば話は別だな!対抗策か何かあるはずだ!」

顔色が戻り意気揚々と胸を張ってツムギ達の助っ人に向かうカスパーを見て神威が不思議そうに眺める。

「なんなのだ?コロコロと顔色を変えおって…」

「神威さん、それより問題が…」

「む?問題?」

黒姫は震える声で神螺の力の対抗策が無いことを伝える。

「なにぃ?対処できんだと!?」

「影響を受けた人や物の治療は無理…だったと思います。あと防ぐ手段も…神楽先生やアキトさんなら何か知ってるかも知れませんが」

「我からは連絡出来んな…参った…すまん、そこは君に一任する」

神威は渋い顔をして黒姫に連絡の依頼をして自分もプロジェクターにまた地図を映して仕事に戻る。

「…ま、まずは翔君に報告しないと!」

黒姫は携帯片手にラウンジに向かう。


その頃、霧が立ち込める中で翔は猪尾が一人暮らしの為に住むアパートを恐る恐る進む。

玄関前でチャイムではなくノックで猪尾を呼ぶ。

「翔っち!助かったー」

玄関をゆっくり開けて翔を確認した猪尾はガチャガチャとドアのチェーンロックを外す。

「お前の言うとおりゾンビがいたよ…」

「ちっくしょう…夢じゃなかったか」

玄関から中に入り話をするが外に待たせている黒鴉達が心配になり猪尾に質問する。

「移動しよう、霧が出ててここも危険になるかもしれない」

「そ、そうだよな!鞄用意するわ!」

猪尾がせこせこと手荷物を用意し始めると翔の携帯に黒姫から着信がある。

『翔君!奴らの出所ですがもしかしたら神螺の力かもしれません』

「神螺…わかった、神鳴達に連絡は?」

『してます、神楽さんを呼びに向かわせてます…あ、翔君の実家の周りはまだ大丈夫そうですよ』

自分の両親の無事を聞いて忘れていた自分の不手際への怒りと安堵の二つの感情に揺さぶられながら黒姫に礼を伝える。

「こっちも猪尾と合流出来た。一応避難するつもりだ…」

『分かりました、戻ったら対策会議ですね、ご無事をお祈りします』

通話を切ると猪尾がパンパンの鞄を手に持ち息を切らせていた。

「はぁはぁ準備出来たぜ!」

「そんなにいっぱい何詰めたんだ?」

「暇潰し用の道具」

呆れた翔は怒鳴ろうか迷うが時間も押しているのを思い出し伝える。

「飯と飲み物と衣類だけにしとけよな…行くぞ!」

「あ!じゃあそれも」

ビニール袋に冷蔵庫から飲み物を適当に詰めて両手に抱えながら二人は荻原達の待つ車へ向かうのだった。

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