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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
世界の理と外の世界
745/783

コード“塔”10

議事堂での発砲騒ぎに神華が色々と対処に苦心する中で神威の部隊が地球圏に侵入したと報告が飛んできてせっかく落ち着かせた要人達がまたパニックになり頭を抱える。

「もう動いたのか?!早すぎる!」

「報復だ!さっきの発砲の報復をされるんだ!」

神華は冷めた目を向けて内心で(さげす)む。

(うるせーな…自分達は動かないクセに問題は大きく面倒にしやがってぇ…パニックの仕方も黒鴉と似たヒステリックでまるで同じじゃない)

主人である黒鴉に対しての悪態もついておいて代理人の質に深く落胆する。

面倒くさそうに神華は説明と称して一人一人に近付いて落ち着くように能力を使っていく。

「取り敢えず落ち着いていきましょう?クールダウンですよ」

静電気を受けたように要人達はスッと心の重荷から解き放たれていく。

「なんかよくわからないが凄く落ち着いた!」

気味が悪いと自分でも思いながら円卓の面々はリラックスしたようで当面は塔に張り付いたドロイド達の監視をするという事で合意し話がまとまる。

(ドロイド隊は確か塔の解体と内部調査…地上には降りてこないし妥協点ってとこかしらね。一番近いというか領域的に全額日本の負担かぁ…)

致し方ないと肩を落としながら直接触れないテレビ会議組の動向を窺うことにする神華だった。


塔の解体に注力をする神威一派はてっぺんに穴を開き調査用ドローンを突入させる。

「よーし、侵入完了…ってなんじゃこりゃー」

ツムギが見える数値と内部の映像に思わず叫ぶ。

ヨロズもデータを確認してその異常さに思わず目を見開く。

「バグではないか?内部がこんな広いわけなかろう?」

神威が何事だと天丼しに来て案の定同じ反応をする。

ツムギは自分の手元のモニタを見せて内部空間が異様に広まっている事を示す。

「魔窟と関係あるかも…?これ外側解体して大丈夫かな?」

「魔素が濃すぎて魔窟化して内部が歪んでいると?」

外では問題なく外壁を解体して少しずつ高度を落とせているとヨロズ側のモニタを見せる。

「いや、解体じゃなくて魔素の濃い空間を地球上に作ること…」

ツムギの言葉に二人の手が止まる。内部がこうなるなら排出されている空が異常な事になるのではという意見にその発想は足りてなかったと答える。

「内部の魔窟攻略も必要になるかなぁ?」

「ある程度解体後にその提案するつもりであったが…機能停止の鍵がそこにあるなら…取り敢えずドローン偵察を続けよう。生身はまだ無理だ」

神威は自分もやろうと近くの椅子に座り探索に参加する。

迷路のようになっている空間を下へ下へと降る構造にツムギはまさにダンジョンと評する。

しかし他の魔窟と違い魔物の姿がなく単なる迷路で神威は怪訝な表情をする。

「あまりにも高い位置だからか敵が居ないな…」

「じゃあどっちが先に見つけるか勝負だー」

「っふ、操作の数の優位で我が負けるはず無かろう?」

子供っぽいと二人のやり取りを鼻で嗤うヨロズは慎重に作業を再開するのであった。


翔達が帰宅して既に皆動き出した事を黒姫から聞いて自分達も何かするべきなのかと黒鴉がウズウズする。

「神威さん暗殺されかけたのに何言ってるんですか」

「何?アイツ死にかけたの?」

そんな簡単にみんな死ぬ連中じゃないと黒鴉はゲラゲラ笑うが神鳴が居ないのに冗談では済まされない話なんですと叱られる。

「神華さんに何とか場を収めさせたみたいですが…」

「うげっ、神田が?!…うわー明日愚痴られるかも」

自分の責ではないが厄介事押し付けられてストレス爆発させられないかと黒鴉は微妙な顔をして全員が普段の行いが悪いと黒鴉を冷たい目で睨む。

翔は神威達が動いた事について黒姫に質問をする。

「今どんな状態なんだ?」

「いえ、私もそこまで聞いてません…」

流石に成層圏での作業の情報は地上では得られないと苦笑いで答えられて玉藻前が他人事のように神威達の所へ行けば?と発して黒鴉が激しく頷く。

「そうそう!食後に行けばいいのよ!ささっと食え!」

「まーたそうやってすぐに首を突っ込む…」

黒鴉の行動の早さと躊躇(ためら)いの無さに呆れる一同なのであった。

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