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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“威”7

翌日、襲撃の数は機械の反乱により使用者の絶命が相次ぎ初日より減り続け被害はあるものの平和になりつつあった。これで対策のスイッチを使わずに済むかもと翔は考える。

黒姫も黒鴉も元気は復活はしているが不仲になっていて不機嫌な二人の(いさか)いに巻き込まれたくない一心で弁当を忘れ昼食をどうするか悩む。

ハンバーガーでも食べようか等と考えキーボードを操作していると携帯が振動する。

表記された黒姫の文字に直前の思考からおっかなびっくりしながら席を立ち通話する。

『お疲れ様です。神華さん見ませんでした?』

「いや、今日は見てないが…どうしたんだ?」

黒姫は『そうですか』と言って暫く沈黙した後に神華が失踪した事を伝える。

『かもです、昨日の夜から姿が見えないって…』

「あんだけ一人で動くなって言ったのに…わかった会社(こっち)でも調べてみるよ」

答えを知ってそうな社長室に向かい扉をノックする。

どうぞと言う言葉を聞いてから翔が中に入ると忙しそうに作業する竜司が目に入る。

「む、翔君か、どうしたんだ?」

「神華が居なくなったと黒姫から聞いて…」

出された名前に竜司は意味ありげに頷き答える。

「あぁ…彼女は暫く休みを与えている、なーに心配は要らんよ?あ、伝えてなかったな…黒姫にも…黒鴉にも伝えておいてくれ」

伝達のミスを失敬と笑いながらこの決定の異論は認めないと言いたげにそのまま仕事に戻る姿に何も言えず翔は失礼しましたと社長室を出る。

すぐに黒姫に竜司から聞いた話を伝えて安堵してもらい嫌々ながらついでに黒鴉にも伝える為に電話する。

『はぁ…何でそんな話するの?』

不機嫌な様子のまま黒鴉が神華の話を聞いてポツリと呟く。

「いや、彼女が居なくなったって聞いてな」

『そう、はぁ…余計なお世話よ』

何度も溜め息をついてブツンと通話を切られて翔はムッとするが腹の虫が鳴るのを聞いてこれ以上は面倒臭くなってこの話は忘れることにする。


昼食をとる為に街に出て周りを見渡す。

最近の騒動に店を閉めている場所も当然あって少し寂しくなりながら当初の考え通りハンバーガーを食べようと歩く。

(迷惑だよなぁほんと…仕事全く身に入らないし)

上位世界への怒りを覚えながらお目当ての店を前にして財布を取り出す。

並ぶ人を見て空腹感を増長させられながらメニューを見ていっぱい食べようと決心する。

(この際イライラをぶつけるためにも沢山食べよう、そうしよう!…うーん…おかしいな嫌な予感がしてならない)

こういう時は大概良いことが無いと思い出して背後を振り返る。

(ないな、ないない!あって堪るか!)

魔物も機械も出てくるなと祈りながらカウンターで注文をする。

今回は無事に食事にありつき満足する翔、店を出て日に当たり少し散歩しようかと歩きだした時に敵は現れた。

機械の兵が突如落下してきてアスファルトの地面を砕き痕を付ける。

「うわ!食後で良かった…秘密兵器の出番だな!」

ポケットに入っていたスイッチを押して武器と精霊を呼び出す。

「雷怨!一撃で決めるぞ!」

黒獅子を呼び出して落ちてきた機械達に電撃を御見舞いし全て破壊する。

あっさりと決着を付け秘密兵器を作った神威達に感謝しながら逃げようとしていた人達の称賛の声に一礼する。

(犯人は…逃げたか?魔物は無しか…)

いきなりやり過ぎて逃がしたのは悪手だと翔は後悔するが無理な追跡は諦めて騒ぎが起きないことを祈りながら神藤ビルに戻ることにするのだった。

(敵を闇雲に探しても昼休み終わって俺が怒られる…頼むから大人しくしててくれ…)

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