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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“姫”1

情報共有の為に神鳴達を連れて翔は神藤財閥所有のビルの向かう。

ビルの受付で寝不足気味の黒鴉に迎えられて会議室に入ると不機嫌そうな神々に出迎えられる。

一番不機嫌でイライラしたような様子なのは襲撃を受けて倒れた玉藻前の世界の主で擬似的な兄妹に当たる神斎(しんさい)だった。

「ボクの所に喧嘩売るとはね、やっぱりぶっ壊してやるべきだったね」

子供っぽい容姿に子供っぽい発言に黒鴉が呆れた顔になる。

神鳴が件の玉藻前の魔石を取り出すと神斎が舌打ちをして早く割れと文句を言う。それを竜司が止めて話を始めようと言う。

「今はまず情報を共有しようではないか、翔君、何かあるなら教えてくれ」

翔は四角い箱のようなものを机に置く。

「これが相手が使ってた道具、上位世界の事も否定しなかったな」

金属操作を得意とする神の神威(かむい)が興味を示す。

「ほう、我が調べてもいいか?」

箱に神威が手を伸ばすが竜司に止められる。

「お前が触れたら壊しかねん、今は我慢して欲しい」

「我が壊すと?信用ないな…まぁ後でじっくり調べさせてもらえれば構わん」

神威はため息混じりに手を下げ腕を組む。

次に筋骨隆々とした神の一人、神螺(しんら)が敵の強さについて尋ねてくる。

「それで、敵とやらは強いのか?どんな奴だった?」

敵の様子を思い出しながら翔は答える。

「普通の人間で銃を使っていたな、ただ普通と違うのは箱を使って隔離して一対一を挑んできた位か」

普通と聞いて神螺が大笑いする。

「くっだらねぇ、俺が暴れた時もだが大して変わらねえじゃねえか!ビビるなんて弱い証拠だな」

(あんたと違って一般人は銃器は即死レベルに危険なんだよなぁ)

神螺は肉体を瞬時に回復させて特定条件でなければ倒すことが殆ど不可能な男であり余裕な態度に大体の神が呆れていた。

「此方から向こうに出向くつもりはないのかしら?」

先程まで黙っていた神鳴に似た金髪の大人の女性の神である神楽(かぐら)が尋ね竜司が困り顔で答える。

「ない、正確に言うと向こうの世界の位置を判別できない」

「お手上げね、防戦一方ってことね」

此方から攻める術が無いことが分かると黒鴉が欠伸をする。

「じゃあ私兵も出番無しね、いつ出るか分からない相手なんて魔物と同じじゃない」

神藤財閥にはお抱えの覚醒者という超常的な能力が扱える人を集めた対魔物の部隊がいるがその事を口にする。

翔は相手の目的について思い出して話す。

「奴らの狙いは神を廃して世界を得るつもり…だったと思う、ちゃんと聞く前に倒したから…」

神々は自分達が標的と聞いて苦笑いや嘲笑する。

「っは、プロトタイプに比べたら我々は負ける要素はないな!」

神螺はプロトタイプと神鳴が一番嫌う呼び方をしてつまらなそうに立ち上がるとさっさと空間に穴を開けて帰って行く。

神斎も玉藻前の魔石を神鳴から奪いため息をつく。

「ボクも帰るよ、母さんに報告しとかないとな…」

手をヒラヒラと振って神螺と同じように空間に穴を空け消えていく。

「協調性ないわね…」

神楽が肘をつきながら呟く。

黒姫が肩を落としっぱなしの神鳴を励まして身柄を神楽に預ける。

「すみません神鳴の事、暫くお願いできますか?」

「そうね、神鳴こうなったら暫くはショボくれるからね」

神楽は神鳴の身柄を受け取ると竜司に挨拶を済ませて自身の世界に戻っていく。

残る神威は箱をニコニコと見つめてさっさと寄越せと言いたげだった。

「竜さん、研究所箱持ってくんだろ?我が行っても?壊さないからさ!」

竜司からアイコンタクトを受けた黒鴉がウズウズした様子で言う神威を連れて会議室を出ていく。

こうして殆ど中身が定まらないまま会議が終わった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 黒鴉さんが普通の人に思えるほど、神々のキャラが立っていてとても面白かったです。上位のものであるという余裕、貫禄が如実に伝わってきました。ただ、防戦一方と言われると読んでいるこちらもジリジリ…
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