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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
32/783

コード“斎”13

家族総出で研究所に移動し神華が出迎える。

「お待ちしておりました、皆様窮屈かも知れませんが暫しの我慢をご容赦ください」

「あらあら、堅苦しいのは止して、紗也華さんは家族のようなものでしょ?」

朗らかな優香に困りながらも神華は心の中で竜や黒鴉と家族は絶対嫌だと思うのだった。

建物内での移動中にツムギと出会い声をかけてくる。

「おやぁ竜、もう戻ったのかい?てっきり帰ったものかと…Kまで、何があったんだい?」

黒姫が翔の呼ばれ方に驚き電流が走る。神華もムッとしてツムギを睨み二人して思い出したかのように声を上げる。

「あー!!」

声を上げた二人を見てツムギが挨拶する。

「クロヒメと神華じゃないかぁ、久しぶりかなぁ?」

間延びした話し方に黒鴉がイラッとしながら黒姫に耳打ちする。

「知り合い?」

「ええ、まぁ…話すと長くなるので」

竜司は案内が先だと話を遮るが神華が鬼気迫る表情でツムギに詰め寄る。

「社長達は先に行って下さい、アタシはこいつに話があります」

竜司は黙って頷くと居住エリアまで家族を案内していく。

「どうして死んだはずの貴方がいるの?!」

ツムギの胸ぐらを掴み神華は叫ぶ。

「それは竜に聞いてくれ、もう説明疲れちゃったぁ」

適当な物言いに神華は我慢できずに怒鳴る。

「ふざけないで!!」

神華の怒りにも臆せずにツムギは軽く説明をする。

「冷静じゃないねぇ…クローンだよ、伝わった?」

神華は手を離し悔しそうに唸り声を出す。その様子を見てツムギが先手を打つ。

「他の博士については僕も知らないからね」

望みの答えを得られず歯軋りする神華をツムギは繕いの言葉で慰める。

「どうせ研究に必要になってカスパー達もお呼ばれするんじゃない?…知らないけど」

神華が適当な事を言うツムギを睨み付ける。

「おお、怖い…僕に八つ当たりしてもこれ以上は答えられないからね?」

能力を使ってでもと思っていた神華は竜に肩を叩かれて落ち着かされる。

「…っ!ごめんなさい…」

苛々をぶつけていた事を指摘され素直に謝る神華を見てツムギはホッとして一歩下がり不注意を謝る。

「僕も不注意だったよ、いやぁ他の神だったら殺されてたかもね」

神華は無言でツムギを見つめた後足早に去っていく。

「あー、余計な一言だったかも…」

まあいいかと頭をポリポリ掻きながらツムギも歩きコーヒーを淹れに行く。


部屋を割り当てられ翔はそそくさと荷物を紐解く。

一人部屋でホロリと涙が溢れそうになるが前向きに考え直してパソコンをセッティングする。

取り敢えずと諸々を用意し終えてベッドに飛び込む。

「あー、明日から仕事どうなるんだ…もうなるようになれだ…」

翔は大の字になって思考を放棄する。

黒姫と黒鴉は同室になり黒鴉がぶつぶつと文句を言っていた。

「なーんで個室じゃないのよ」

プライバシー云々とじたばたする黒鴉を落ち着かせようと黒姫は会話をしようとする。

「部屋が足りないのではないのですか?」

「でも浜松は個室よね…でもでも二人にさせるのはダメだし…」

黒姫と翔を一緒に出来るものかと強い意思を見せてベッドにドシンと座り込む。

「姉さん達も翔君を信用してくださいよ」

「実力は信用してるけど…でーもイチャイチャされるの癪じゃない?!」

でもでもだってと嫉妬心を隠さない姉。

「もう…」

姉のひねくれものっぷりに呆れながら黒姫も自分のベッドに腰掛ける。

黒鴉の携帯の通知音が響き、内容を見た黒鴉が渋い顔をする。

「神田の馬鹿、何考えてんのよ…一人で外行くって…」

外には新種の敵と遭遇する可能性もあり戦う術の無い神華には危険だと黒姫が声を上げる。

「神華さん一人で!?危ないですよ!」

「そうね、ちょっと私行ってくるわ」

立ち上がって装備を確認し黒鴉は部屋を出て行く。

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