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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“斎”12

帰路に着きながら翔は一人で勝手に動いたことを黒姫に怒られるだろうなと苦笑いしていた。

神藤邸近くで車から降ろしてもらい運転手に礼を言って足取り重く塀の角を曲がると数人の人が見えてくる。

邸宅の入り口近くから集まって動かない人達に嫌な予感を覚え駆け足になる。

「おい、あんたら…」

翔の声に集まって怪しい人達は驚いた表情を向け逃げようとする。

「おい!待て!逃げるな!」

すぐに雷怨を呼び出して逃げ道を塞ぐ。

一人が箱を翔に向ける。相手のコード詠唱より家族に手を出されたと怒髪天を衝く翔は雷撃で集団をノックダウンさせる。

敵が居たという疑問より先に翔は邸宅に入り周囲を見渡し叫ぶ。

「黒姫!優香さん!」

戦闘の痕跡に焦燥感に駈られながら中に入り名前を呼び続ける。

奥の部屋から黒姫がそっと顔を出す。

「か、翔君?敵は?」

大切な人が無事とホッとして翔は刀を戻し構えを解く。

「外で伸びてる…その…大丈夫か?」

「はい、母さんも無事です…私のせいで」

黒姫が自分の責だと言う理由は分からなかったが無事なのを確認して犯人達を縛りに行こうとする。

黒姫の様子も心配だったが外に出るとさっき倒した人達に何者かがとどめを刺して翔を見る。

「使えない奴らだ、ん?」

歪に生えた右目の上の一本角が特徴的な鬼のような女性が翔を睨みドスの返り血を払う。

「ふーん、あんたがやったん?」

ピリピリと伝わる殺気に翔は焰鬼の刀を取り出す。

「人…じゃないよな、誰だ」

「神だよ」

急に死体が一つ浮き上がり翔目掛けて飛ぶ。

(サイキック!?)

翔は攻撃に驚きつつ後ろに飛び神を名乗る敵と距離を取る。

死体ごとドスで貫こうとしていた敵は攻撃がうまく行かず舌打ちする。

「神通力…か神斎の模倣か?新しく作ったのか…冷酷だな」

「っち、あぁ角が疼く…!ムカつく!」

角の生え際を掻いて地団駄し理性を失ったようにドスを振り回して翔を睨む。

(…なんなんだコイツ)

意味のない言葉を叫びながらどこかへ跳んで行ってしまった。

「しまった!逃げるのかよ!」

予想外な動きに翔は判断が遅れ逃がしてしまう。

(取り敢えず報告だな。箱は…壊されてるな…こいつら服を着替えているし、パターン変わってきたな…強盗か奪った金か…つくづく外道だな)

周囲を警戒しながら家に入りながら携帯を手に取り繋がりそうな方を考える。

(黒鴉と竜司さんどっちに連絡しても烈火の如く怒り暴れそうだ…参ったなぁ)

ため息をしながら黒姫と合流する。

翔の様子を見て黒姫は恐る恐る何が有ったか確認する。

「…何かあったんですか?」

「ヤバそうな敵が出てきた、逃げられたが新しい神か模倣か…」

「新しい…神!?」

報告に黒姫は青ざめる。

「兎に角報告しないと…だが」

翔の言いたいことを理解して黒姫は肩を落とす。

「わ、私がします…原因は多分コレですから」

黒姫は自分の持つ箱を見せて半泣きになりながら携帯を手に取る。

「俺もしよう、そっちは黒鴉に…俺は竜司さんに連絡する」

二人のやり取りを見ていた母は自分に「出来ることは?」と尋ね翔は怒る二人を落ち着かせる役目をお願いして連絡を取る。

予想通り怒りを抑えられない様子の二人が連絡を聞いて飛んで帰ってくる。

「皆無事か!許せん!なんとしてでも滅ぼしてやる!」

「一人残らず切り捨ててやるわ!」

母の落ち着かせるように二人を宥め話が出来るようにする。

翔が新しいタイプの敵と衣服の変化を説明し竜司が新しい敵に反応する。

「そうか、神斎のような…奴らの呼んだ魔物ではないのか?」

「自我もあって…気絶してた連中にトドメを入れていたので呼び出した魔物とは違うかと」

黒鴉がそんな事よりもと話を遮りテーブルを叩き立ち上がる。

「実家に喧嘩売られたのよ!…少なくともお母様達を守るために居場所を変えないと!」

一人戦えない母を心配しての話だったが竜司もまたヒートアップする。

「そうだな!どこかに匿わなければ…」

「私は逃げも隠れもしません!」

「しかしだな…」

言い淀む竜司の代わりに黒鴉が声をあげる。

「研究所の警備をガッチリしてそこで守りましょう!」

「異世界の方が…」

黒姫の言葉に黒鴉は渋い顔をする。

「ダメ、私達で守れなきゃ!異世界は最終手段よ」

意固地になる黒鴉だったが竜司もそれに同意したのを見て優香も同意して納得する形で一時的に神藤邸を離れる事になるのだった。

翔は小声に黒姫に尋ねる。

「アパートどうする?」

「どうしましょう…荷物纏めないとですね」

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