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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“斎”11

翔達は迎えに来た黒服の車で研究所に移動して竜司達と合流する。

「うわ、ホントにアーキタイプじゃないか」

ツムギが顔合わせして顔を強張らせる。

「その呼び方はやめてくれ、神藤竜司と名乗らせてもらっている」

名前を名乗るとツムギは首を傾げて呼び返す。

「シンドーリュージ?ああ、コード“竜”で神竜と竜神からもじっているんだね?」

「説明するな、恥ずかしいだろう」

ツムギの説明台詞に翔がそうだったのかと感心する。

「しかし何故死んだはずの貴様が?」

竜司の貴様呼びに少しムッとするが持論を語る。

「多分研究データ…医療データかも。にある僕の遺伝子情報を元に僕のクローン作ったんじゃないかな?記憶とかは理屈分かんないけど…向こうでは一応神斎について尋ねられて幾つか話したけど、まぁデータ通りだから不要とされたのかな?」

「不慮の事故の時の研究員のバックアップデータか…」

スンと落ち着いて竜司は長話は良くないと研究所の中の案内を申し出る。

翔達は研究室に入るがツムギは設備の内容に少々がっかりしているようだった。

「当時の僕らのに比べて流石に設備は貧弱だね…」

「だろうな、箱についての調査すら難航している」

箱について何か知っているかと期待の眼差しを受けてツムギは首を横に振る。

「僕の知らない技術だからねぇ、あれからどのくらい経ってるんだい?」

期待が外れて残念そうに竜司はカレンダーを指差す。

「…大体あそこの数字くらいか」

「おぉ、二千年位?そりゃ分からないな」

翔も初耳で驚きの声を上げる。

「に、二千!?俺も知らない話だな」

竜司がそうだっけと言いたげに頭を掻いて詳細な時間は覚えてないと笑う。

「他の神は?」

キョロキョロしていたツムギがそれよりと言いたげに首を傾げる。

「神威がこっちに来ているが他は自由にしてる」

「ホントに皆仲良くしてるのかぁ…意外だなぁ、神斎とか仲良くできないでしょ?」

ツムギの当然の疑問に二人は苦笑いする。

「まぁその…成り行きと実力で…」

「やるねぇ、あ!リュージに聞きたかったんだけどこれからどうするの?」

竜司は携帯を操作しながら答える。

「ははは、上位の連中とは縁切りしたい所だな」

意外だなとツムギは肩を(すく)めて深入りする。

「ふーん、反撃しないんだ?」

「して欲しいのか?」

竜司はツムギには目を向けずに淡々と答える。

「僕にはもう関係ないね、好きにすればいいよ?」

「ほう、てっきりわたしは君がまだ向こう側だと思っていたよ」

義理人情に薄い奴だなと竜司はツムギに圧をかけるように睨み付ける。

「どうせ僕切り捨てられるなら裏切っちゃおうかなって」

へらへらと裏切りを言ってのけるツムギに竜司が呆れる。

「翔君は帰りたまえ、黒姫が心配するだろうから」

「あ、クロヒメもいるんだ?」

竜司が首を傾げて黒姫の存在の厄介さを考えハッとする。

「参ったな、説明しようにも時間軸が滅茶苦茶になるな」

「どういう意味だい?」

ツムギが怪訝そうな顔をする。

「君達の言うデミヒューマンが未来…いや過去…むむ、この場からやって来て世界を救ったなんて聞いたらどう反応するか…」

「竜司さん、言っちゃってます」

翔が指摘するとわざとらしく竜司は口を押さえる。

「じゃあK、君は…この世界の人間なのかい?」

「これだけ世界がぐちゃぐちゃになったら自信持ってYESって答えられないな…」

はいと答えたいが濁すように答える。

「少なくとも君の知っているクロヒメはわたしの娘だ」

「…そんな馬鹿なー!つまり、どう言うことになるんだ?あ、さっきの言葉の意味はコレか」

「そうだ。話せば長くなる」

二人の話を混乱させないように翔は退散するのだった。

翔が帰ったのを確認してから竜司が再度ツムギに確認をする。

「我々に与するという事でいいんだな?」

「そうだね、何か問題が?」

竜司は口角を上げて笑う。

「いや、生きていくなら金も要るだろ?この研究所で働くといい」

とある部屋の前に来て中に案内される。

「色々と準備はしておく、そっちのつなぎ服の仲間が三人既にいるが会うか?」

「あーボランティア?生きて捕まえたんだ?」

「娘達の手柄だがな」

竜司は黙って頷きパソコンを点ける。

ツムギの服の膨らみから武装しっぱなしなのを察して竜司は手を差し伸べる。

「ああ、そうだ銃は預からせてもらおうか」

忘れてたと悪気の無さそうにごそごそと服をまさぐり安全装置を確認する。

「どうぞ、多分特に特殊な機能はないよ?」

ツムギは銃の頭を自身に向けて持ち手側を竜司に向けて渡す。

「ふむ、それと彼から借りた分の金は返すようにな?」

「あー、バレてる?参ったなぁー」

ツムギは翔への恩を返すためにも研究所で働くことになるのだった。

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