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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
287/783

コード“決”2

遠距離からの水流による攻撃への防御に集中しながら背後への警戒を怠らない葛之葉、高みから様子を窺う黒鴉は意外と隙の無い様子に先に燃料切れが頭に浮かぶが我慢して勝機を待つ。

「後数秒…陽動も難しいわね」

アキトの切り札は使うなという言葉が脳内で再生されて苦い顔をしながらネックレスを軽く握り深呼吸する。

追い詰められながらも勢いが長続きしない事を確信している葛之葉は少し余裕が戻った表情になる。

「よし、行ける!受けきるわよ!」

その宣言を聞いて待ちは悪手だと黒鴉は水流攻撃を次で最後として一気に距離を詰めて本体で奇襲を試みる。驚異的な速度で裏手に回り込み葛之葉は気付いていても対応が難しい動きを要求される。すんでのところで黒鴉の進行を妨げるように壁を作り出して剣を受け止め弾き返す。

(やっばー防がれた。でも…)

葛之葉も黒鴉も肩で息をして互いにギリギリだと見て先んじて黒鴉がバハムートによる攻撃をやめて再召喚の準備をしながら一撃当てにいく。

水流が止まった事に気付くのが遅れた葛之葉は中途半端な防御で対応して吹っ飛ばされ受け身も失敗し痛そうに転がる。

「う、ぎぃ…で、でも距離は取れたわ!今度はこっちの番よ!」

葛之葉はすぐに体制を立て直し指パッチンしながら瓦礫を射出し黒鴉を撃ち抜こうとする。

「ちょっと!多くない!?」

文句を言いながらも緩急のついた弾丸のような瓦礫を数発剣で叩き落としタイミングを作ってバハムートを再度呼び出し水流で押し返す。

(そ、そろそろ魔力限界…決着つけにいかないと)

黒鴉が覚悟を決めて叫びながら水流で道を切り開く。

「うおぉぉー退け退けー!」

「ふぇぁ!?」

突撃してくる黒鴉にギョッと驚き変な声が出てくる。

「どっせーい!」

剣を横に振りかぶって重い一撃、これに耐えれれば勝ちだと葛之葉も真剣に守りを固める。

(切り札を使うなら今!)

瞬間、懐のネックレスを取り出してピカッと一瞬の目潰しを放ち防備を打ち崩し一撃を入れて魔石に変化させて勝利をもぎ取る。

「あいつ!使うなって言ったのに…」

アキトは眉をひそめて後で説教だなと呟く。黒鴉は虫の知らせを感じ取ったのかヤバイヤバイとネックレスを胸元に隠すのだった。


試合を終えて復活した葛之葉と黒鴉は握手し合う。

「あとちょっとだと思ったんだけどなぁ…まさか突撃してくるなんて…」

「あはは、無駄打ちでホントにギリギリだったわ」

わいわいと盛り上がる中で中堅のアキトは相手チームをチラッと見て準備運動するヨロズと眼があって苦笑いしてしまう。

「嫌だなぁ、肉体派で精霊無効か…」

翔は自分を指差して一緒に苦笑いする。

「俺よりまだアキトさんのがチャンスある相手じゃないですか」

「木刀で勝てるかなぁ…あ、結局は焰鬼使うタイミングないな」

雑談していると黒鴉が自信溢れるドヤ顔しながら戻ってきて「どんなもんよ」と胸を張る。翔は素直にお疲れ様と拳を突き合わせる。しかしアキトは目付き悪く質問する。

「なぁ、お前ウィスプ使ったな?」

「え?な、何の話しかしら?」

ため息をついてアキトは黒鴉に大事なことだからよく聞けと前置きして語る。

「お前のそれは未来人の武器を借りパクしてる物だってこと忘れるなよ?知られたら華で操られる可能性あるんだぞ?だから知られちゃいけないんだ」

「う…そ、それはそうだけど…睨まないでよ」

凄まれて気落ちしながら軽率だったと素直に謝る黒鴉に翔は自分が言ったら喧嘩になってそうだなと一歩引いた位置で苦笑いする。

「さてと、軽く勝って皆でうまい飯でも喰おうや」

アキトは力こぶを作るように右腕を前に出して明るく笑って見せるのだった。

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