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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“斎”6

神藤邸に帰って来た翔達は神華に早速愚痴られる。

「行動するのはいいけれど結果を考えてから動いて欲しいです、上位世界の人間だろうが死体が残るなら覚醒者全体が白い目で見られてしまいます!」

神華が他のチームの報告を受けて頭を抱える。

「報酬関連も面倒な事になりますし…んもう!新しいのは兎に角面倒!」

翔が回収した箱をテーブルに置く。

「敵から回収した箱だ、対策何か分かるかもしれない」

「そう…ね、その処遇は黒鴉様戻ってきてからで良いでしょう」

忙しそうに神華は携帯を操作し続ける。

「神華さん忙しそうですし私達は待機しましょう」

黒姫が苛々している神華をこれ以上刺激しないようにと翔を部屋から追い出す。

「神華さん、敵は浅葱色のつなぎ服でした、魔物を出現させたら暫く監視も必要のようです」

「…分かりました、各所に連携しときます」

黒姫も部屋を出ると神華は深いため息をつく。

「馬鹿黒鴉、緊急なんだから早く帰って来てくださいよ…」

誰にも聞こえてないことを良いことに黒鴉を呼び捨てにして届く報告と映像の処理に辟易とする。


地方ロケの撮影で黒鴉は相方で異世界出身の元お姫様の周防美奈(すおうみな)と共に食レポをしていた。

周防は自慢の大食いパワーでモリモリ食べてスタッフ達を驚かせる。

「相変わらず食べるわね…」

呆れる黒鴉をよそに周防は全部「美味しい!」と満面の笑みで食レポになっていない感想ばかり述べる。

ゆるかわボケ周防と毒舌ツッコミ黒鴉のバランスでいい画が撮れるとスタッフ達も大喜びだった。

そんな彼女らの前に水を差すように悲鳴と共に突如として様々な魔物が現れる。

スタッフ達が逃げるように指示を出すが黒鴉と周防は目付きを鋭くさせて武器を取り出す。

「しっかり撮りなさい!美人なだけじゃないんだから!」

「はい!皆を困らせる悪い魔物は退治です!」

二人は精霊の白い鯨と蛇を呼び出す。

「バハムート!全部押し流すわよ!」

「ヤト!あ…え?あーちゃん!?ここ街中!」

びっくりする周防に対し黒鴉はお構い無しと言わんばかりの水流を鯨のバハムートに撃たせる。

スタッフ達も唖然とするが一人のスタッフが手の空いてそうな周防に携帯を手渡す。

「クロアさんに秘書名乗る人から緊急で…その、お電話が…」

「あーちゃんに?…忙しそうだから私が出ます」

神華が痺れを切らして連絡してきた。

『誰?あぁミナさんね、黒鴉様は?』

「今魔物退治中です」

『はぁ?あんたんとこも?…丁度良いわ浅葱色のつなぎ服の奴探してみて、そいつが犯人の可能性あるわ』

神華のアドバイスに了解をするも周防は聞き返す。

「あの…アサギ色ってどんな色ですか?」

『はぁ…水色と黄緑色の間位の色よ』

「わかりました!ヤト!探してきて!」

通話を切って周防は白蛇に指示を出す。

正面では黒鴉が周囲を水浸しにしながらウォーターカッターで魔物をズバズバとばらして行く。

「数が多いわね!」

水鉄砲を掻い潜ってきた敵を剣で一刀両断して後ろの様子を伺う。

「スタッフの皆大丈夫かしら!?」

「大丈夫ッス!画もバッチリ!」

親指立てるカメラマンにドヤ顔を見せて黒鴉がトドメの一撃とバハムートに格好良く指示を出す。

「これで終わりよ!水流ビーム!」

残った敵を指差し水流で撃ち抜く。

粗方片付いたと精霊を戻してフンと鼻を鳴らす。

「あ、終わりましたか?此方も捕まえました」

「…?何を?」

周防が錫杖をシャンと鳴らすと物陰から悲鳴がしてヤトがシュルシュルと獲物の上位世界の敵を咥えてやってくる。

スタッフ一同ドン引きするが黒鴉がぐったりしているつなぎ服の男と手に持つ箱を見てしかめっ面をする。

「あー、もしかして…」

「犯人だそうです。ヤト、ペッてしなさい」

周防が携帯を黒鴉に手渡し黒鴉が成る程という顔で神華に通話する。

『あ、もう倒し終わりました?』

「ええ、犯人も捕まえたわ」

一瞬の沈黙、流石に神華も混乱する。

『マジですか?!黒鴉様ならバッサリ切り捨てるかと思ってました』

黒鴉は箱を奪い男はヤトの口から解放される。

「私は一度も人を切ってないわよ!切るのは魔物だけ、スタッフー!なんか紐持ってきて!」

ヤトから解放され周りの騒がしさに男は目を覚ます。

「…ひぃ!た、助けて!」

黒鴉の手にある剣を見て男が腰を抜かして命乞いする。

「動かない!抵抗しない!…大人しくしてれば食と住を約束するわよ」

てきぱきと慣れた手腕で指示を出してその場をしっかり治め男の移送の手続きも済ませる。

事が終わり周防が周りの状況に冷静になって呟く。

「あちゃー水浸し…」

「うっさい!路面の掃除の手間が省けたわね!一件落着!」

何とも豪快な黒鴉の様子に敵を含めて圧倒されるのであった。

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