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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
242/783

コード“喰”2

何も知らずバイトでコンビニ店員をしていた翔の所に猪尾が冷やかしにやってくる。

「っよ、頑張って働いてるねぇ。フリーターはどうよ?」

「冷やかしに来るのかよ、相談したのが間違いだったか…」

無職になって繋ぎの仕事をフリーターの猪尾に相談して翔はなんとか今のバイトに漕ぎ着けたが茶化しに来た猪尾を白い目で見る。

「まぁまぁ、そう言うなって。シフト終わったら飯行かないか?奢るからさ」

「シフト明けは昼過ぎだけどな…しかし、太っ腹だな…」

「よせやい、太ってるのは前からだよ。ってやかましいわ!」

猪尾は笑いながら駄菓子を買ってまたあとでと去っていく。

バイトを終えて合流した翔は猪尾と雑談しながらオススメと言われた店に向かう。

「最近流行りの異世界飯、いやー、一人で入るの怖くってさー」

携帯でレビューを見せてきてその名前に翔はしかめっ面する。

「異世界飯ぃ?…写真見るに創作料理じゃねーか」

「ほら異世界の会社が出てきたから寛容になってんだよな」

自分達の事だと言えずにから笑いしか出来なかった。昼食時から外れたお陰で人の並びもなくすんなり入れてただの洋食のようなメニューに苦笑いする。

到着した盛り付けに凝った料理に猪尾は感心したように色々な角度から眺めて写真を撮る。

「SNSにあげよっと」

翔がそれに呆れつつ手をつけようとして猪尾に止められる。

「そっちのも写真取らせろ!ほれほれー」

奢られてる身で食事を取り上げられてしょんぼりする。

味は普通の料理だった。


翔が帰宅するとあわただしく動く黒姫を見て微妙な顔になって何してるのかと尋ねる。

「あ、おかえりなさい!えーっと…」

黒姫が理由を言い淀むのと黒鴉が不在なのを見て翔は色々察する。

「黒鴉がまたなんかやってるな?」

「…はい、姉さんがまた…」

黒姫の言葉の途中で戻ってきた黒鴉が翔を見て「しまった」と言う顔をする。翔はため息混じりに何してたんだと聞くと観念した様子で答える。

「他事業も用意しようと思ってちょっと出掛けてたのよ!もう口約束での契約的なのも済ませたわよ」

「何の…?」

「…異世界食堂」

黒鴉は渋るように答え、その内容に翔は頭を抱える。

「直接異世界行ったって事はマジで向こうの料理を出すのか?…さっき話題になってると言われるソレを食ってきたけどさぁ」

「同業他社のを食べたですって!?この裏切り者ぉ!!」

「まだやってねーだろ!」

わざとらしく泣く黒鴉にツッコミしつつ率直な意見を述べる。

「料理ってのは結局は口に合うか合わないか、それとムーブメントが続くかなんだよ、創作料理は旨かったけど…長続きしないぜ?ましてや本場のはリピーターが着くとは思えない」

黒鴉はビシッと指を翔に向ける。

「自信の強みのムーブメントに乗れない会社は潰れるだけよ!波に乗りなさい!」

「…あのなぁ、ウチにそんな余裕ないだろ!開業費取り返すだけじゃダメなんだぜ?」

真面目な意見に黒鴉は親指を噛みその通りと認め悔しがる。

「まさか異世界ムーブが来るなんて思って無かったからね…でも私の見ている先は食堂だけじゃあないわよ!」

大見得を切る黒鴉に妹が「聞いてない」と驚愕する。

「レジャー施設!観光事業!地球では味わえない新しい境地!」

「…あのなぁ、開発費やら何やらもあるしましてや現地の皆さんになんて説明するんだよ」

「あら?そんなもの決まってるでしょ」

呆れる翔を一蹴して黒鴉はポカンとした顔で答える。

「迷惑掛けないなら神威のスペースコロニーがあるじゃない」

「あったわ開発費掛けないとこ」

全て解決と翔も指折りしてレジャーランド計画に前向きになってしまう。黒姫が困った様子で呟く。

「翔君、神威の世界は異世界感足りないんじゃ…」

「でも宇宙的なのもは今の地球でも感じられないだろ?」

「そうですけど…騙してるみたいで…」

黒鴉は心配性な妹を笑う。

「まずは何よりも金なのよ!結局他の世界に行くツアーとか立ててもこっちの資金力ないとダメだからね!」

壮大なプランを口にするならタダと下卑た笑いをしながら黒鴉は語るのだった。

「姉さんの思考が金に呑まれてる!」

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