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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
22/783

コード“斎”3

翌日、朝早くに疲れた様子で帰って来た父を家族総出で出迎える。

「流石のお父様でも疲労感が出てる程の難問だったみたいね…」

黒鴉がそう言うと竜司は返事も(まま)ならないようで軽く頷いてふらふらと妻に支えられながら寝室へと向かっていく。

「土日とぐっすり出来そうで良かったわ、まぁ私は仕事あるんだけど…」

時計を確認して黒鴉は黒姫に手を振って屋敷を出ていく。

タレント業界でもしっかり立ち回る姉に尊敬の意を込めて黒姫は丁寧に「行ってらっしゃい」とお辞儀する。

ゴタゴタした様子に目を覚まして欠伸をしながら翔が残った黒姫に声をかけ事情を聞く。

「そうか、対策出来てると良いんだが…」

不安を感じつつ神鳴達も疲れてるんだろうなと想像しながら今後の戦いを憂いていると油断した腹の虫が鳴る。

「と、取り敢えず朝飯を…」

「そうですね、用意します。着替えてきちゃってください」

黒姫が恥ずかしそうにする翔に笑いかけ着替えを促す。平凡な休日が幕を開けようとしていた。

アパート暮らしではありつけない豪勢な朝食を楽しみつつテレビのニュースを見る。

『魔物の襲撃増加』そんなタイトルのニュースが流れ翔は神斎への愚痴をこぼす。

「こっちに居すぎて管理ほったらかしたからか?」

「あ、戦ってるの猪尾君じゃないですか!?」

投稿映像では魔物から逃げ惑う人々、それを止めに現れたコンビニバイトの翔の同窓生で卒業後フリーターになった小太りな男、猪尾忠俊(いのおただとし)だった。

「うわ、マジだ…」

翔はきっとテレビ出演の自慢するメッセージ来るんだろうなと思いつつも手斧での攻撃と精霊の知的な美人な魔神のユピテルによる雷撃で見事魔物を撃退する雄姿まで撮されていた。

「…ん?」

撃破する映像がリピートされて翔は違和感を感じる。

「どうかしましたか?」

翔のちょっとした反応に黒姫が首を傾げる。

「なんだろう、何か…いや、考えすぎか」

映像が終わり違和感の確認のしようが無くなり思考を放棄するとピロンと翔の携帯に案の定猪尾からメッセージが届く。

『見たか!?オレの雄姿!』

「ぷ、やっぱり来たか…!」

翔がメッセージを黒姫に見せながら返答する。

『見たぞ、コンビニバイトの雄姿!』

『うるせぇ!バイト馬鹿にすんな!』

ふと翔は先程感じた違和感の正体が分かるんじゃないかと猪尾にメッセージを投げる。

『そう言えば戦って何か違和感無かったか?』

『違和感?』

少し間があって続けて猪尾から返信がある。

『ああ!なんか魔石落ちなくて臨時収入を逃したわー、なんだったんだろうなー、何か知ってる?』

翔はその返信を読み違和感の正体がハッキリして黒姫に教える。

「そうか、魔石か!映像でも倒された魔物が霧みたいに消えて普段と違ったんだ!」

「えっと…では魔物は神斎の世界出身じゃないと?神楽先生の所は遺体残りますし…」

深まった謎に翔は猪尾への返信に悩み取り敢えず謝る。

『いや、分からない…すまん』

『そっか、これ神藤んとこに報告したら金でるかな?』

呑気に金の話をされて翔は苦笑いする。

『黒鴉に直接示談しろ(笑)』

『えー、アイツ面倒臭いじゃん!』

猪尾の面倒臭いという結構ひどいメッセージに黒姫も苦笑いする。

翔は適当に話を茶化して切り上げる。

「仕事無いし久しぶりにパトロールでもするか!」

新たな敵の予感と街の人々の安寧の為に久しぶりに退魔士(神鳴命名)もとい覚醒者(一般認識)として立ち上がる。

「ふふ、お供します!」

黒姫も翔のやる気に感化されたのか嬉しそうに立ち上がる。

玄関口で竜司の様子を見に来た神華と出会い親の面倒を任せて二人は出発する。

「あー全くお熱いわね、砂糖吐けそう…」

ジトっとした目で翔達を見送り今後の予定を話すつもりだったが優香に止められ物凄い疲労と爆睡で話せないと聞き肩を落とす。

「仕方ないですね…面倒頼まれてるし…って、なんでアタシが!?休日なのに!」

「神田さんって面白くて優しい人ですね」

「~ッ!」

優香にニコニコで良い評価を受けて顔を赤くするのだった。

「きょ、今日だけです!お昼とかうんと贅沢してやるんだからぁ!」

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