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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
211/783

コード“証”1

騒動は初日から始まった。

「姉さん、具体的にどうやって未来の連中を打倒するのです?」

至極真っ当で翔も忘れていたと口をポカンと開けて黒鴉を見る。

「勝利とは何?正しさとは何?奴等がいる事実をねじ曲げる事は出来ないけど目論見を潰して面目も潰す」

「でも目的である移民策は成功してますよね?」

黒鴉はちゃぶ台返ししそうな勢いで立ち上がり叫ぶ。

「うるさーい!仲良くお手て繋いで技術革新だの地球の為と宣うお父様とは私は違うのよ!名誉毀損されたのよ!?許せるかー!リーガルが駄目ならイリーガル!」

翔が率直な意見を述べる。

「うわぁ、悪っぽい」

「復讐の鬼と貸した私は一撃偽物にぶちこまないと気が済まないわ!」

「ビンタ一発でチャラなら安いもんだな」

ギロッと睨まれるが翔は微妙な顔をして言葉を続ける。

「世間一般的には各地で暴れられて被害に遇った人達もいる…そういうのと協力すべきじゃないのか?」

「…レジスタンス的な?…勢力集めてクーデター!」

ハッと何かに目覚めてにんまりと笑顔になる。

「姉さん…?」

「大丈夫!今の私達には神様が憑いてるわ!ね?神田…あ、まだ来てなかったか」

「姉さん?」

黒姫は姉の悪巧みに威圧するように無言で抗議する。

「ど、どうしたのよ?」

「神の力は気軽に使うものじゃないのですよ?それに今は…」

黒姫は彼らは神藤グループの下だと溜め息混じりに答える。黒鴉もあっと口を開けて嘆く。

「…孤立無援!謀ったわねお父様!」

「勝手に抜けたのはお前なんだよなぁ」

呆れた様子で翔がツッコミすると何度目かの睨み付けを受ける。更に話を聞いていたのか音もなく神華が呆れながら現れる。

「神螺は死に神斎は割れ関せず、神威に至っては雲隠れ…各博士は関わらないように神威が匿っていると思います。ハゲ以外」

マークはコウモリのように逃げたと暗に伝えるがそれは気にも止めず黒鴉が嬉しそうに口を開く。

「あら、じゃあ異世界の引き抜き次第では全然戦えるじゃない!」

「戦争する気ですか!?お馬鹿じゃないですか!」

あっけらかんと戦うと口にしてお馬鹿扱いされて黒鴉は反論する。

「戦争じゃないわよ!商戦よ!奴等の技術を上から各世界の歴史と技術と文化でぶん殴る」

「でも戦うんですよね?物理的にも」

本音を指摘されて黒鴉はどもる。

「向こうが横柄な事するなら…戦争も吝かじゃないけど…」

「はぁ、大丈夫でしょうか…」

翔と黒姫は黙って首を横に振る。黒鴉はプランを述べる。

「取り敢えず神螺の世界は置いといて、神威と神斎の交渉ね、神斎は玉藻がいるし浜松達で対応して貰って神威には…私と神田で説得に行きましょうか」

「交渉…なぁ、神斎がそういうのに興味持つか?」

「そこは何とかしなさい、物で釣るなり口八丁を鍛えなさい」

黒鴉の指示に翔は嫌な顔をしながらも文句言っても仕方ないと渋々受け入れる。

「さてと、善は急げね!神鳴は?」

キョロキョロして居ないのに気付いて「居ないじゃない!」と一人ツッコミして一息ついて互いに今やれることをやろうという事になり物置から神楽の世界に行くことになる。

(結局物置が異世界への入り口なの直ってねえのか…)

翔は相変わらずの改造された実家に苦笑いするのだった。


「えぇ、神斎と神威の世界ぃ?」

提案を受けた神鳴は嫌そうな顔をしてどうしようかと勿体振る。玉藻前も実家に戻るのを渋る顔をする。しかし不思議そうに小夜が玉藻前に尋ねる。

「家族と会うの嫌なの?」

「うー、苦手なんや…神斎に頭下げんのも含めて嫌やで」

黒鴉はそこを何とかと頭を下げる。神鳴は目を丸くしてポカンとする。

「まさか黒鴉が頭下げるなんて…仕方ないわね、失敗して怪我しても知らないわよ」

「マジか、承諾するんか…」

神鳴は二つの道を開いてどうぞと両手を開く。

「しゃあない、まっつぁん、黒やん行くで」

「一回しか行ったことないし…案内よろしくお願いしますね」

黒姫が頭を下げて玉藻前は恥ずかしそうに頭を掻いて移動して行き黒鴉と神華も黒姫を真似て頭を下げて別の道に入ろうとして思い出したように話す。

「時間になっても帰ってこなかったら迎えに来なさいよ?私達だけじゃ帰れないから」

「明日までに戻らなかったら考えとくわ」

神鳴はやれやれと素振りして二人を見送るのだった。

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