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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“斎”2

業務から解放され翔は帰る準備をしていると同僚から茶化すように「お化けが迎えに来ている」等と言われ渋い顔をする。

ため息混じりに恐る恐る仕事場から外を覗くと黒姫が壁に寄りかかり携帯を注視していた。

(お化け…ねぇ、社長の娘なんだよなぁ…)

長い前髪を小馬鹿にした同僚に怒りを感じながら何故かいる黒姫に声をかける。

「黒姫なんでいるんだ?」

翔を見て口角を上げて社長の不在で色々面倒事が溜まっていたという話を聞かされ苦笑いする。

「竜司さんと黒鴉と神華…三人不在でそんなに仕事滞るのか」

この会社大丈夫かと微妙な顔になっていた。

「父さんも姉さんも行動力が売りですからね」

父と姉二人の大胆な即決即断の動きを思い出して少し納得してしまう。

黒姫はそんな事よりと夕食の誘いをする。

「お食事デートしましょう、母には説明済みですから」

携帯をトントン叩いて手回ししているアピールする。そんな婚約者の行動力に翔は呆れながら答える。

「君も大概行動力の化身かもな…」

二人は何を食べるか語り合いながらビルを出る。

「翔君はカレーかラーメンですよね」

ニコニコしながら翔の好物を提案する黒姫。

「友達と行くならそうだけどデートじゃなあ?」

「オススメのお店あるなら食べてみたかったです…」

ちょっとだけ残念そうにする黒姫を見て翔は真剣にそっちに舵を切るか悩む。

「そっちの好物じゃなくていいんだな?後悔するなよ?」

「興味あるから是非お願いします!」

黒姫の力強い言葉に翔も下手な洋食より安く済むから良いかと口の中を好物モードに切り替える。

「だがこの辺は調べてないからな…よし!」

気持ちを切り替えて街を歩いて先に見つけた専門店に入ろうと決める。

夜の街を歩きながら思出話を話す。

「こう歩いていると玉藻ちゃんとダンさんと戦った事を思い出します」

玉藻前との二度目の戦いで吸血鬼のダンと二対二の戦い、黒姫はダンと痛み分けで病院送りになった話。

「今なら勝てる自信ありますけどあの時本気出されてたら…」

「ダンか…そういえばアイツ今何やってるんだ?」

マイペースで夜以外は貧弱そのものでずっと浜松家に引き込もってコーラとポテチを貪るダメ吸血鬼である。

「さぁ?でも元の世界に帰ってもコーラは無いから…」

そんな話をしていると電気屋の宣伝用のテレビにとあるニュースのリポート映像が流れ音声に耳を疑う。

『今売れてるイケメン魔物系ホスト』

二人がハッとしてテレビに目が行く。

映し出される多種多様な魔物男子、その中の見覚えのある男がいた。

『酒を飲まなく安上がりで指名数を稼ぐ吸血鬼のダン・ピエールさん、赤ワインじゃなくてコーラが大好きなようです』

「安上がりだってよ…1日三リットル以上飲むぞあいつ」

翔が呆れ顔でスマイルを振り撒くテレビの向こうのダンを見つめる。

「夜のお仕事見つかって良かったですね」

「はは、皆それぞれの生活を得たようでホント良かったよ」

二人は正面に見えてきたカレーの看板を見てあれにしようと笑いながら夕食に向かう。

『殺し文句は君の血も吸っていいであるか?ですって!独特な語尾も受けてる理由らしいです』


好物のカレーにありつけてご満悦な翔を見て黒姫も笑顔になる。

「初めての店だしポピュラーなのでいいか」

「激辛とか行かないのです?」

「カレー好きが全員激辛好きという訳じゃないからな?」

それぞれ思い思いの注文をして腹拵えをする。

「辛いか?大盛りにの俺よりゆっくりだな」

「翔君が早いんです…あ、お冷やおかわりお願いします」

黒姫はスパイス増しにしてしまい舌を冷ましながら何とか食べきる。

「素直に普通にしておけば良かったです…」

「はは、興味本位でチャレンジしちゃダメだぞ」

店を出て帰路に着こうと歩き出す二人は正面から歩いてくる浅葱色のつなぎ服を見て緊張する。

二人して相手がオレンジではないことに平静になりすれ違って少しして同じ事を呟く。

「敵かと思った」

意見の一致につい吹き出してしまう。

「良くないな、変なイメージが出来てしまった」

「そうですね、気を付けないと」

その後も談笑しながら屋敷に戻る二人だった。

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