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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“送”2

翔と別れて住宅街へ向かう最中、黒姫がふと荻原に対して質問をする。

「先程はこれも仕事だと言ってましたが他にお仕事してるのですか?」

「痛いとこ突くねー、親父が汚職で捕まって大変だけどさ、夜の仕事楽しくやってるよ」

夜の仕事と聞いて日中動き回るのは無理していないかと心配するが笑って大丈夫と流す荻原。

「あはは、今日非番だから」

そうじゃないと姉妹は心の中でツッコミを入れる。

そうこうしている内に目的地周辺に到着し高級住宅の並びに黒姫だけ感嘆の声を漏らす。

「普通でしょ?庶民って感じ」

「んー、俺様の実家の方が凄いって」

庶民育ちの記憶がある黒姫は首を横に激しく振って否定する。

「二人とも生まれも育ちもブルジョア過ぎるんですよ!」

黒鴉が妹の言葉にニヤニヤしながら翔について笑う。

「浜松が庶民だからねぇ」

「翔君は良い方ですよ、私は団地住みでした…」

疲れたように黒姫はため息をついて車を降りる。妹に遅れまいと黒鴉も続けて降りる。

「ちょっと待ちなさいよ、一人は危ないわよ?」

「すみません、何だか姉さんや荻原さんと距離を感じちゃって…」

二人を心配して荻原も車のエンジンを切って降りてくる。

「俺様も行こうか?女性二人は心配だからな」

黒鴉が荻原の提案を突っぱねて妹の背中を押す。

「夜じゃないんだし…それに私達アンタより強いから」

フラれて荻原がガックリ肩を落とすと黒鴉のインカムにカスパーから連絡が入る。

『黒鴉嬢、Kの方の確認が終わった。向こうはハズレだそうだ』

「あらそう、じゃあ本命はいただきね!…どのくらい距離あるかしら?」

『それが…反応二つあってだな…』

カスパーの言葉に黒鴉は妹をチラッと睨み問い詰める。

「アンタねぇ…箱持ち運ぶなって言ったでしょ!?」

「あぅ…本気出すなら要るかなぁって…」

黒姫は渋々箱を取り出す。

「神田の精神プロテクト今回無いんだろうから操られたら困るのよね!…荻原、アンタはそれ研究所に持ち帰って頂戴」

結局着いて行けない事が確定して荻原は箱をしょんぼりした様子で受け取る。

「ちぇー、仕方ないなぁ」

助手席に雑に転がして姉妹をチラッと見てから車に乗り込む。

「さぁ行くわよ!カスパー?どっちの方向かしら?」

『待ってくれ、反応が重なっててよく分からない』

「重なってるって…近くに居るってことじゃない!」

カスパーは『精度はそこまでだから…』と念を押すが荻原がエンジンを掛けると同時に面倒臭そうにクラウスが姿を現す。

「居るわよ目の前に!」

「姉さん!構えてください!」

通信に夢中になっていた黒鴉はハッとして武器を構え要件を伝える。

「大人しく捕縛されるなら手荒な事はしないわよ?」

「ハイそうですか。なーんて言う訳ないだろ?」

クラウスは箱を片手に眉間に皺を寄せて双子を見据える。

「どうやって此処を割り出したのやら…そういえばあのハゲはどうなったのかな?」

戦うつもりも捕まるつもりも無い様子でマークについて尋ねてきて黒鴉がチラッと妹にアイコンタクトを送りながら答える。

「なんでハゲが出てくるのかしら?揺さぶってるつもり?」

「…クロアちゃんが元気って事は赤髪はもう使えないし…やっぱりだーれも信用出来ないね」

クラウスがため息をついてやれやれとジェスチャーをする。

「信用出来ないのはアンタが人間性ゼロのクズだからでしょ」

「冷たいねぇ、コレでも人には好かれるタイプだって自負してるけど?」

「どこがよ!」

直ぐ様黒鴉がクラウスを指差してツッコミする。

「アンタからは詐欺師の臭いがプンプンするのよね!甘言ばかり囁いてるんじゃないでしょうね!」

「詐欺師?甘言?俺様そこまで性悪じゃないよ?建設的な提案しているだけさ」

クラウスはニヤリと笑みを浮かべてねっとりと「でも…」と付け加えて不敵に笑う。

「戦うのは嫌いでね!逃げさせてもらう!」

「デス!」

黒鴉が会話で時間稼ぎしている間にクラウスの背後から黒姫の精霊のデスを強襲させようとしたが目敏く見抜いたのかクラウスはまた不明なコードを叫んで撤退してしまう。

「…コードの名前を呼ぶ声さえ掻き消すのね…カスパー!」

『ダメだ付近に反応はない…ちょっと拡大して探してみる』

黒姫は一手遅かった事に項垂れるが黒鴉が励ます。

「私のトーク力が足りなかったわね…姿現してから逃げるなんてやっぱり奴は性悪だわ」

「そうですね逃げるだけならわざわざ…」

黒姫の疑問を無視して黒鴉は自分の頭をコツコツ叩いて後悔の弁を述べる。

「リスクを取ってでも黒姫にコード“姫”使わせるべきだったかしら…いえ、それなら私がやるべきよね…」

次に生かすと教訓を覚えて黒鴉はまだ帰っていない荻原に帰りも願って乗せてもらうことにするのだった。

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