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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“麗”11

翌朝、黒鴉が作戦室にヨロズとマークを呼び出して二人は顔を合わせてビクッと驚き身体を強張らせて気まずそうに冷や汗を流す。

先に何か察したヨロズがマークに憎まれ口を叩く。

「…なるほど、土下座でもして命乞いしたか?」

「ふん、それは此方の台詞だ」

バチバチ火花を散らす二人を離すように黒鴉が間に割って入る。

「はい、止め止め。二人にはこれからもうちの組織の一員として頑張ってもらうのだから」

ヨロズはともかくマークまでお咎め無しということにツムギが驚きの声を上げる。

「マジぃ?昨日知り合いも居ないはずのに休暇届け無しにずーっと外出してたのに?真っ黒じゃん!」

ツムギの主張を聞いてその場にいた研究員達全員がウンウンと頷くが黒鴉が仕方なくフォローを入れる。

「そうね、でもそれは二重スパイの為、そうよね?」

汗を流しながらマークが黒鴉の言葉を肯定して宣言する。

「その通り!アルバートもクラウスもあんなクズ共の下なんて御免だ!次裏切ったと疑われるようなら甘んじて処断されよう!」

室内がしんと静まり返りヨロズがボソッと呟く。

「…怪しいし今すぐ処断しとけ」

「ひ、酷いな!」

黒鴉が二人の頭をコツンと叩いてもう一度「止めなさいと」言ってマークに質問する。

「コード何があるか知ってる?」

「ん?それはもちろん…」

マークは思い出すように指折り数えて首を傾げる。

「…そっちは神の名を冠するコード全部知っているよな?」

「そうね、私の知ってる神は全員出ているわ」

頭を押さえてマークが答える。

「神対策に作られた能力封じの“偽”とアルバートが過去の情報から発掘した重力操作の“或”…あとは通信回線の“伝”」

神威が裏でメモを取りながら黒鴉にアイコンタクトする。合図を受けて黒鴉がマークに追加質問する。

「瞬間移動について知ってることは?」

「瞬間…移動?」

新しい能力にマークは腕組みして深く考える。

「そうだな…既存の能力の組み合わせ…か?いや…“鳴”か?」

「それ単体じゃ無理よ、動けなくなるわよ」

黒鴉は体験談を伝えるとマークは滝汗を流して「分からない」と首を横に振る。

予想してた黒鴉は仕方ないかと軽くため息をついて切り替える。

「聞き出せる?」

「…直接は露骨過ぎるだろう」

流石に無理と言いたげに首を横に振るマークはヨロズをチラッと見る。

「ヨロズ君は知っているか?」

急に話を振られてヨロズの眉間に皺を寄せる。

「参ったな…その場に居たがワタシも聞き取れなかったからな…というか思い出しただけでもムカッ腹立つな」

見捨てられた事を思い出してヨロズは青筋立てて地団駄する。

「…どのみち対策しないと暗殺くらいしか出来ないわよね」

「すれば?暗殺」

ヨロズはマークを指差して役目を押し付ける。露骨に嫌な顔するマーク。

「えぇ!?いや…無理だろ!発砲したら…いや普通に殺人はお縄になるって!」

掌底を合わせて手錠掛けられるポーズを取る。黒鴉は髪を乱して残念がる。

「やっぱり戦う気無い相手を殺ったらダメか…」

ツムギが手を挙げて発言する。

「はいはーい“姫”で拉致ればぁ?」

「そ、それなら私じゃなくてそっちが本業の奴にやらせたまえ!私には無理だ!」

全員が翔を思い浮かべて黒鴉も「それしかないか」とため息をつく。


「…んで、俺に処刑人やれと!?」

黒鴉が翔の部屋を訪ねて結論を伝える。

「…逃げ回る相手を取っ捕まえて縛り付けるなら分かる」

「相手に殺意なければ殺せないと?」

「一応そう線引きしてるんだよな…俺の中では」

翔の言い分を聞いて黒鴉はだったらと別の案を出す。

「“姫”で結界に拉致して相手の箱を破壊、縛り上げて連行…あとはこっちで処理するわ」

苦い顔をする翔だったが提案を聞いて仕方なさそうにする。

「んー、まぁそれなら」

「途中で敵が攻撃するなら処理していいわよ?…あ!後、瞬間移動の正体解明出来たらしちゃってね?」

要求が多くて翔は呆れて答える。

「俺が死ぬかもしれないって考えないのか?」

「っは!修羅場幾つ潜り抜けて来たのよ?!そんなタマじゃないでしょ!?」

妙に黒鴉から信頼されている翔は作戦室に移動する事にするのだった。

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