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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“偽”14

一旦落ち着いた所で翔達は神威達が居るであろう訓練施設に向かい様子を見に行く。

壊れた機械を片付けしていた研究員と神威は翔達が現れたのを見て安堵する。

「おお、黒鴉嬢!戻ったのだな」

「…誰コイツ」

黒鴉は冗談で神威を指差して笑うがすぐに黒姫に怒られて謝る。

神威は上げて落とされての繰り返しに疲れきった様子で状況の説明をする。

「機械の緊急停止により皆正常に戻ってきた、しかし不思議なこともあるな…我や神華、それと博士達以外の殆どの記憶が抜け落ちていたようだ」

神威の言葉に翔は片付けを続けるツムギ達を不思議そうに見て考える。

「記憶の欠落の範囲ってどれくらいなんだ?」

「あ、私も気になります」

黒姫も翔に合わせ神威を見つめる。

神威は返答に困りながら口に手を当て考える。

「ううむ、それが敵についてスッポリだったり我々神についても抜けていたり…形容し辛いな」

「役に立たないわね…」

黒鴉がボソッと悪態をついてまた黒姫につつかれる。

「すまないな、記憶が残っている者とそうでないものも…共通点がわからんしな」

「面倒な考察はいいじゃない?機械は破壊すればいい訳だし?」

黒鴉の極端な思考に神威は苦笑いし困りつつ肯定する。

「まぁ…そうだな、事が起きなければいいだけだしな」

「防げたら苦労しない話ですけど…流石に対策しましょうよ」

双子の相反する意見の板挟みに神威は翔に助けを求めるように視線を送る。

「神威や博士達が影響受けないんだったら頑張ればいいじゃないか」

翔の言葉に神威は首を横に振る。

「それが我や神華の力も封じられて…」

その言葉に黒鴉が叫ぶ。

「そういうの先に言いなさいよ!記憶よりヤバいじゃない!」

翔は過去の記憶を元に質問する。

「また音波系か?」

「いや、そういうのは観測されなかった…」

考え込む面々を無視して黒鴉はまた大胆な話をする。

「んじゃもう面倒くさいしこっちも銃器使っちゃう?」

「訓練してないのに使えるもんか…」

無理無理と手を振って反応する。

「だらしないわね、マシンガンでがーっとやっちゃいなさいよ」

手を銃のように腰に当て体を左右に回す。

「姉さん、銃刀法って知ってますか?」

「はぁ?既に刃物を偽装して所持してるでしょうが!」

黒鴉はキーホルダーのバハムートを取り出して剣に変化させて見せる。

「偽装して持ち運びする方が悪人っぽいでしょ?」

「悪人というか魔法封じられると武器に戻せないからな…」

悪人と言われて少し不満顔になりながら翔が補足する。

それもそうと黒鴉はウンウン頷いて銃の所持の話に戻る。

「だから私達も持つべきよ銃!」

「ダメです!」

黒姫が即答、翔も流石にとあまり乗り気ではなかった。

神威がいい笑顔で茶化す。

「黒鴉嬢が銃を使うとロケット弾で全部吹き飛ばしかねんな!」

「いいわね、採用、破壊力は正義よ」

「おっと、冗談だったのだが…」

早速イメトレを始める黒鴉、それに翔も黒姫も呆れる。

「どうやって諸々を揃えるつもりだよ…」

「神藤に無理は無いわ!…神田ぁ!ロケットランチャー用意しなさい!」

片付けに従事していた神華は耳を疑い黒鴉を二度見する。

「え?は?!今なんて言いました?!」

「ロケランよ!RPG!対戦車擲弾!グレネード!爆雷!」

「おいたわしや…遂に頭可笑しくなりましたか?」

わざわざ神華が寄ってきて黒鴉の額の熱を確認する。

「そんなもの手に入る訳ありませんからね…」

「でも爆弾は使ったんでしょ?」

爆破で壊れた機械を指差して駄々をこねる。

「海外で展開する民間軍事会社、PMCでもそんな黒鴉様が欲しがるような物は手に入りませんし日本に持ち込めません!あれは神威の私物です」

「…成る程!神威!作りなさい!」

神華は黒鴉の言葉に顔を覆って失言したとガックリして神威に後を託して清掃作業に戻る。

無茶振りに神威は頭を抱え翔に尋ねる。

「我の世界なら確かに武器弾薬の量産は可能だが…」

「黒鴉、ダメだぞ、お前は記憶消えちゃうんだから」

「いや、問題はそこかい?」

神威がツッコミするがしかし、あからさまにショックを受ける黒鴉は膝をついて悔しがる。

「っく!以前のか弱い私に戻ってしまっては戦えない!」

全員が「か弱い」という単語に心の中で総ツッコミする。

取り敢えずと神威が話を区切るように結論を述べる。

「銃器の供給はしない、敵に関しては見敵必殺で行くとしよう」

「前線に出なきゃ好きなだけ言えるわよね」

黒鴉は恨み節な発言をするが仕方なそうに立ち上がりスカートの埃を払ってため息をつく。

「記憶を取り戻す鍵はあるっぽいし魔力封じ以外はなんとかするわよ」

「そうなんですか?」

記憶の鍵に自信ありげに黒鴉は親指立てるのだった。

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