罪の名
人の形
黒いもの
息づいた誰の中にも
絡みつく呼吸をするたび
握られる心の臓
魔眼の奥に潜む魔王
70億人の影
勇者になりて去りゆく
誰も見た者はいない
付与されし天の呪縛
命と魂を結びつける
暗黒より生まれし記憶
忘却の果てに宿す魔力
漆黒の竜を身籠もる
夢の中で見た光
母とも父とも混沌として
闇夜に生まれ落ちる奈落
地獄の業火
胸の内側を這う
世界への怨み
こんなにも愛されているのに
勇者陥れる創星術
産み落とす母なる暗黒の魔王
絶対君主暗闇の母王
猛者は我が子
荒ぶる竜王
滅亡の剣をふるう
黒天に流れ落ちる星ふる夜
切り裂く光の一筋
空を分断する繋がり鎖
あんなに愛していたのに
間際
狂気と愛が
めまぐるしく
変わるがわる
裏表
くるくると
父と母の面影
抱きしめられる子
魅せられる幻影
そうしたかったのか
どうしたかったのか
図りかねる真意
分かりかねる真実
惑わされぬように
揺らめくように
煌めくように
あたたかく真っ直ぐな光
奥深く貫かれた竜の王が勇者の懊悩
光と闇
葬り去る混沌
まだみぬ勇者
昏々(こんこん)と眠る我が子
いつかの覚醒
やがて討ち滅ぼされる円環の宿命
なぜか
この瞬間にみえた
終わらぬ
永遠なる闘い
最後に
ありったけのすべてをこめる
闘気も魔力も竜の運命も
全開にして
剣にのせて
拳にのせて
翼にのせて
言葉にのせて
全身全霊のせる変容の覚醒
注ぎ込まれる膨大なる力
受けとめる瞬間の笑顔
滅びの逡巡
終わらない怨嗟と連鎖
愛
どこまでも続く
見えない先端
剣の切っ先が
闇に吸い込まれてゆく
どこまでも
のまれてゆく
届かぬ光
自分自身の存在
今
宿命から消し去るように
70億の流星が
時をかき消す
目も眩む閃光
永遠の浄化
光と闇の円環
うねりの力
無限大の彼方
空
暗闇めぐる
70億柱の光の竜神たち
愛も哀しみも
響きあう
光の幻影の最中に掻き消して
断罪
産声をあげる