表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ニンゲンカンサツ

作者: 内藤 馨

「はぁ…」


ため息が出る

また今日も一日が終わる。

親からの虐待、学校でのいじめ

こんな自分に何も利益のない世界にいて何が楽しいんだろう。

いっそのことこの世からいなくなったほうが幸せなのかも…

いかんいかん、いつもの癖が


私は、ゆっくりとベッドに座る。するとコツリと何か手に当たったような気がした


「…?」


よく見てみると


幸せサプリ! 夢心地

いつも生活が苦しい、こんな世界嫌だと思う人必見!!これを飲めばあなたも夢の中では解放されるよ。幸せ〜な夢を見ようではないか!!

※一日1錠ダヨ!それ以上は危険⚠


と、なんとも胡散臭い内容が書いてあった


「なんというか、怪しすぎるから逆に怪し…いや、十分怪しいわ!」


…でも


夢の中でだけでも幸せになれるというなら、そうだこんな世界もう嫌なんだ、どうなったっていい。私はこの世界から少しの間だけでも解放されたい

袋を手に取り、恐る恐る薬を手に取る


ゴクリ


その日の夢はまるでいつもの悪夢と違い、幸せいっぱいの時間を送ることが出来た

こんな世界初めて。

このとき私は初めて幸せというものを味わった気がした


ジリリリリ、ジリリリリ…


バシッと目覚まし時計を止める

夢から勢いよく引きずり出され、放心状態になる

あの薬、本当だったんだ

夢の世界の私は自由だった。

好きな時間にお菓子を食べ、遊び、寝る

この夢の中から出るのにも、近くにあるベルを鳴らせばこの世界に帰ってくることが出来るため

誰かに何か言われることもない

こんな素晴らしいものがあったなんてなんで知らなかったんだろう


そして私は次の日も、そしてまた次の日も服用を続けた


あれから、何日たったのだろう私は既にあのクスリの虜になっていた

あのクスリがないと生きてられない。早く飲みたい…あの幸せな世界に行きたい


その日はいつも以上に疲れていたせいも重なり、

あの幸せ以上のものが欲しくなっていた

その勢いが抑えきれず、いつもは一粒だったクスリを大量に摂取してしまった 


すると急に目の前が真っ暗になる


目を覚ますとそこにはいつもの幸せいっぱいな世界から、人が転がり死んでいる悲惨な光景が広がっていた


「嘘…だろ」


焦りちらしていると即座にグサリと言う音がゾッとして見ると自分の腹部が真っ赤に染まっていく同時に痛みが襲ってくる

痛みに耐えきれずバタリと倒れ気を失う

チリンチリンと音が聞こえ、ハッと目が覚める

そうだ、これは夢なんだからベルを鳴らせばすぐに帰れる。そう思い

痛みに耐え、ぐっと腕を伸ばしベルを取ろうとする


「…っ!?」


しかし、あった場所にはベルがない

この世界の人には決して見えない筈のベルが彼女以外来ることが出来ないのに誰かに取られた…?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「もーおー!ちゃんと説明書に一回一粒だって書いてあったのに、無視するからだよ

僕たちは可愛そうな君に救いを差し伸べたのに、それを当たり前だと勘違いして

欲望の塊になってしまった…

僕たちは君を過剰評価しすぎていたみたいで残念だよ

もう君は決してここから出ることは出来ない…いや、出してやることなんてない

死んだほうがいいと思えるような地獄を味わせてあげるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


そこで君はどんな反応をするのかとても楽しみだ

最後まで読んでくださりありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ