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この▽▲▼を愛してる  作者: 五十寺 悟
9/9

同じ景色

中に入ると、そこはダンジョンの様になっていた。


「ひっろ……」


「2グループに別れて行動するつもりだけど、これ時間内に探索できるかな……」


僕は猫背と四肢なしと一緒に左側を攻略する事になった。


ずっと同じ景色が続くものだから、地図をリアルタイムで更新していても迷子になりそうだ。


それにしても誰も話さないこの空気はあまりに息が詰まる。無口な僕が言うのもなんだが。


「来たよ。戦闘準備。」


その空気を破ったのはキメラアント。ざっと見て30はいる。しかも並びが軍隊っぽくて気に食わない。異型生物の癖に生意気だと思う。


洞窟内を壊してしまうといけないのでグレネードは使えない。これは少し時間を喰う戦いになるかもしれないな。



数十分後、無事に片付け終わり再び僕らは探索を開始している。


さっきからどんどんと下の方へと進んでいるのだが、もう帰りたい気分だ。

これを考えるのは何回目だろうか……


「お?ボスっぽい?」


「油断しないで。貴方の行動はいつも軽率なんだから。」


「へーへー肝にめーじマース」


どうやらぼーっとしている間に大きな空間手前に辿り着いたようだ。


中はキメラアント達の渦で埋め尽くされていた。


その渦の中には一際大きなキメラアントが鎮座している。恐らく、あれがボスだろう。


突然、銃声が鳴り響く。重機関銃の音だ。


「流石。隊長らは行動力が違え。」


「考えなしとも言うけれどね。」


少しの会話を交え、直ぐに応戦に入る。


敵の数は尋常ではなく、ほぼ四面楚歌状態だ。

僕は機動力が取り柄なのだが、これでは意味が無い。


それに厄介なのが、キメラアントの死体。

足場がどんどん無くなっていく上に、ツルツルとしたボディのせいで上手く踏ん張ることが出来ない。


とりあえず撃つ。蹴る。体当たりをする。

殺す。


もう何匹倒したかも分からないが、未だ周りはキメラアント達で埋め尽くされている。


五人なんかで突撃しろと言った上層部はクソだ。ブラックだ。


「ギェアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


声のした方を見ると、四肢なしがボスの頭をもぎ取っていた。


突如、周りのキメラアント達が砂のように崩れ落ちてゆく。



正しくそれらは砂となった。


足元には砂漠などでよく見るさらさらの砂が広がっていた。


そこには美しさなど欠けらも無いが、何故か僕はそれをまじまじと見てしまう。


「早く脱出するよ!」


洞窟内が砂状になりつつある事に気づく。


ヤバイ。いわゆるここは"積み地点"なのだから。迅速に行動せねば確実に死ぬ。


全員が出口に向かって走り出す。崩壊は僕らを待っちゃくれない。


崩壊するまであと10分。


かっちりとした字体の数字が視界の端に表示された。


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