眠いから
そこには、赤い化け物がいた。
肌は血に染まって赤く見えるが、濡れていない所を見ると、浅黒かった。
退化した名残なのか、背中からは小さな翼が生えている。
「周囲には、あいつが7体もいる。奴らは飛べないのか、外側の生徒から殺していっている。ここが列の中心だからといって安全なわけじゃ無い」
「俺たちが死ぬのも時間の問題か…」
「あぁ、そういうことだ」
一度、状況を整理してみる。
•まず、ここがどこかが分からない。
•次に、何で眠ってた俺が無事だったのかについては簡単だ。
一つ、始めにいた位置が真ん中だった。 当然外側の生徒は内側に逃げるのだが、内側の人数が増えるということは、外側に誰かが押し出されることを示している。 ほとんどの人間が、自分が生き残ることを最優先に考えている為、結果、元から外側にいた人間が犠牲となる。
ちなみに言っておくと、俺は2年B組で、背丈も平凡なので、ほぼ列のド真ん中である。そこで丸くなって寝てるのだから、パニックになった生徒達が気づかなくても仕方ないだろう。
元 々、俺はそんなに表に出ないやつだったし…。 むしろ、そんな俺に気付いてくれた海渡に賞賛を送るべきであろう。
そして今、どう行動するかだが、情報が少なすぎて、良い案が思い浮かばない。 …と言うか眠い。
そういえば俺、寝起きだっけ…。
思い出したらもっと眠くなってきた…えっと、何を考えてたんだっけ…確か…………zzz
こうして俺は、再び眠りについた。
初めのほうは、意味が分からないことだらけだと思いますが、物語りの地盤を作っている最中ですので、ご了承下さい。