異世界漫喫♪
【異世界桃太郎】の修正作業が捗らず…
資料整理から…現実逃避に。
妄想が膨らみ生まれた作品です。
折角、異世界の設定を考えたので、勿体無い精神で活用しました♪
お楽しみ頂けたら、幸いです!
《桃源郷》
元々人間だったが、今は神と呼ばれる存在が暮らす場所。
「太郎ちゃん、可愛いわね~」
「当たり前じゃ!!儂の曾孫じゃ♪」
「…シカさんに似て、良かったわね!?」
「な、何じゃと~」
「あ、また異世界召喚ですよ!?」
「あれ、あの子は…!
源さん!大変だ!!
お前さんの子孫の実宇ちゃんが拐われる!」
「な、何~!?」
「早く、何かチート付けてあげないと!」
「そうだな~、太郎君にも付けたから【生活魔法】は、いいだろう。
チートは…いつも『漫喫がないと、生きて行けない!』って騒いどるから、【漫喫】でいいだろう。
店ごとあれば、不満はなかろう…」
◇◇◇◇◇
もうすぐ愛蔵版がでる[河原イズム]先生の名作、[泣くラファエル]を読みつつ、寝落ちしたみたいだ。
いつもの漫喫(マンガ喫茶)で目が覚めた。
ナイトパック980円也。
100円引き券を使って、880円で8時間!
明るい店内、好みのマンガが多い、手作り料理が美味しい、ドリンクバーも充実♪
愛用の漫喫だ!!
モーニングサービスやランチが人気で、日中は混雑してて人気マンガが読み難いけど、夜は寝てる人も多いから、マンガが読みやすい。
私は、海野実宇。
短大卒を卒業して、靴と鞄の販売職について、3カ月。
休前日に漫喫を利用するのが、楽しみだ♪
《さぁ~、モーニングサービスを注文しよう!》
フロントに電話する。
トゥルルル・トゥルルル…
《?、レジや厨房から、手が離せないのかな!?》
2度目、3度目と電話するが、誰も出ない。
《おかしいな…、マンガを取りに行きながら、声をかけて来るか…》
「えぇ~!?」
思わず声を出し、店内を見回る!
「誰もいない!? 何で~!?」
店員も、他の客も、自分以外の人が誰もいない。
呆然としながら、外の駐車場を見に行く。
「ここ、何処?」
駐車場は、ある。
自分の車も、ある。
その周りが、見知らぬ場所だった。
正面は県道だったのに、草がまだらに生えた土地。
うっすら、土がむき出しに続いているのは、道だろうか?
両隣のコインランドリーと中古車店があるはずの所は、木があり林の様になっている。
裏側は、岩山に低木があり、その奥は遠くまで深い森林が続いていた。
◇◇◇◇◇
《とりあえず、何か食べたいな》
勝手に、厨房に入る。
お味噌汁、炊かれたご飯、茹で卵、ハンバーグの種、ホワイトソースや、カレー等は下ごしらえ済みだ。
《定番メニューは、下ごしらえ済みだね》
野菜や、肉、魚等、そのままの食材も多い。
《日替わりランチ用は、そのままの食材かな?》
《材料もあるし、一部料理済みのもあるな…、しばらくは、大丈夫そうだね》
食べ物が確保でき、安心する。ガス、水道はどうか、使って確認する。
《…オリジナル・モーニングだ♪》
ご飯、味噌汁、茹で卵、サラダ、ソーセージを用意した。
ソーセージだけ、フライパンで焼いたが、後は出来上がっていたのを盛り付けた。
取り敢えず、厨房のガスや水道は使えた。
オリジナル・モーニングを食べる。
《うん、美味しいな♪》
食べたら、ちょっと落ち着いた。
《ネットの閲覧や、ゲームは出来るんだよな!?》
厨房は使えたし…、トイレは大丈夫!
《発注書から、発注が出来れば…》
フロントの業務用パソコンを触ってみる。
《…出来た!》
ドサッ!
足元に、ダンボール箱で現れた。
さっそく中から、注文した物を確認した。
マンガ、スウェット、冷凍食品、トイレットペーパー…
片付ける。
仕入れも大丈夫そう。
お金も取られてない、不思議仕様!
《う~ん、考えても分からないや!》
取りあえず、マンガでも読む。
◇◇◇◇◇
コミック1冊を読み終わり、次巻を取りに席を立つ。
ふと、外を見ると[ゴブリン]としか呼べない異界のモンスターが、敷地外の林にいた。
《やだ!自動ドアじゃ、入って来るじゃん!?》
慌ててドアのスイッチを探す。
ドア付近にはない。
フロントの中かな…、有った!
フロント奥の店内の照明スイッチの横にあった。
急いでオフにした。
その後、自動ドアの下にある鍵を締める。
外扉の鍵を締める為、内扉を少し開けて向かった時、めちゃくちゃドキドキした。
《窓も、扉も、ガラスなんだけど、大丈夫かな!?》
あっ、と思い出して、トイレや、厨房など、1階の窓が閉まってるか確認した。
《ガラス壊されたらトイレか、シャワーブースに避難かな!?》
外の様子を伺う。
どうやら、敷地に入れないようだ。
棍棒で、見えない何かを、叩く様な仕草。
《結界?》
[異世界転移]魅惑のワードが頭を過る。
「ステータス・オープン!」
「メニュー…うわぁ~!!」
【ステータス】
名前・海野実宇
レベル・1
称号・異世界人
スキル・生活魔法
【メニュー】
[メニュー]
[能力]
[地図]
[収納]
能力を詳しくみて、把握した。
《チートだ!》
生活魔法は、生活を豊か便利にするありとあらゆる事を1MP以外で行い。
[魔力∞]の事実!
材料なしで生産チートである。
[メニュー]はヘルプや、能力拡張機能がある。
[特別称号・神々に愛されし者]は桃源郷に行けたり、神々と通信し助けを乞える。
[ユニークスキル・漫喫]が、このお店と言う訳か…
《通りで、発注出来た訳だ!》
敷地、建物、車は、結界が張ってあり安全な様で、安心した。
マンガの続きと、ドリンクバーに向かう。
◇◇◇◇◇
ふと、再び外を見た。
《おっさんじゃん!? 入れたの?》
ぐったりしたおっさん2人が敷地内にいた。
ガラスに倒れかかってる。
革鎧はボロボロで、血塗れ状態。
《あんな所で死なれたら嫌だな…》
おっさん達に声をかけて、感じが良ければ助けようかな…。
《第1優先は、自分の命》
自分の生命を擲つ覚悟はない。
自動ドアの鍵を開け、おっさんに隙間から、声をかけた。
「あの~、大丈夫ですか?」
大丈夫じゃなさそうだが、何故かそう聞く。
他の声かけが浮かばないからね。
「あ、この店の者か…、済まないが敷地に入らしてもらった。」
1人はぐったりしたままだ。
比較的、軽傷の方がしゃべるが、しんどそうだ。
魔物討伐の帰り道、林からゴブリンの集団に襲われた。
オークも出て来た所で、パーティーメンバーに、後ろから攻撃を食らって、集団内に取り残された…
…不憫なおっさん達だった。
私は、この2人を助ける事にした。
スキルで、ポーションを作る。
駐車場の敷地に行き、ぐったりしてるおっさんにポーションをかけた。
会話出来るおっさんには、自分で飲んでもらった。
意識が戻った所で、ぐったりおっさんには、もう1本。
今度は飲んでもらった。
【生活魔法】で清潔、補修をイメージして、おっさん達と服や装備をキレイにした。
念のため、武器は預からせて戻った。
収納内は、オートメンテナンスだし、手入れや補修は任せてくれ!
しゃべれるおっさんと一緒に、ぐったりおっさんを店内に運んだ。
ファミリースペースに寝かせた。
まずは、飲み物を出す。
しゃべれるおっさんは、ジャイロ。
ぐったりおっさんは、カイン。
おっさん呼びしてたけど、27歳だそうな…。
老けてるね…。
絶対15歳は年上だと思ったよ。
同じ農村で育った、[幼馴染み]だそう。
ぐ腐腐腐腐…。
魅惑ワードに顔が崩れそうになる。
こんな時ほど、[真顔]かつ[無表情]になる。
やましさを隠す為か…
食事に、サラダ、スープ、サンドイッチ、ドリアを出した。
がつがつ食べる姿が可愛く見えて、愛犬[クロ]を思い出す。
クロは、白色の秋田犬。
じいちゃんの兄弟の家から、里子に来た。
《白犬にシロじゃ、初対面でバレる。反対のクロ!》
父ちゃんが名付けた。
おっさん達の防具もメンテナンスに預かる。
ドリンクバーや、トイレ、シャワー、マンガ、パソコン操作の説明し、好きに過ごしてもらう。
膝掛け毛布も渡した。仮眠をしても、いいだろう。
◇◇◇◇◇
さて、試したい事がある。
哀れなおっさん達に、チートを使ってやろうじゃないか!!
おっさん達は、そこまで悪い人達じゃない。
飛びっきりの才能はなさそうだが、15歳から真面目にコツコツ頑張って来た。
2年間、素人同然のメンバーに知識を教え、支えて来た。
自分が覚えたから、出来る様になったから、簡単に切り捨てていったメンバーの対応に腹が立った!
後、おっさんの友情に萌えた!
後ろから攻撃されたのは、ぐったりおっさんだけ。
しゃべれるおっさんは、逃げようと思えば、逃げれた。
なのに逃げずに、ぐったりおっさんの為に、自分の命を賭けたのだ!
好物来た~!!
命懸けの友情…ぐ腐腐腐腐。
思い合うカップルの為、腐女子として応えねばなるまい!
新しい武器を作成。
素材はオリハルコン!
槍、両手剣、片手剣、ナイフ、片手盾、全てに攻撃力10倍と、聖属性、炎属性、雷属性、氷属性など付けた。
見た目は黒鉄に。
防具には、防御結界を付与。
やられたら、やりかえす、10倍返しの機能。
オートメンテナンスも付けた。
普段着や、ブーツ、ローブとマントも作る。
もちろんチート付き。
ウエストバックとリュックサック型の、収納袋をおっさん2人を使用者に作成。
テント、タープ、毛布、タオルケット、タオル、歯ブラシ、コップ、皿、深皿、スープカップ、スプーン、フォーク、ナイフ、鍋、ダッチオーブン、フライパン、木桶、樽、袋、ランタン、魔物や人避けの結界魔道具。
水を樽に100杯。
ワインや、ウイスキーも。
りんこジュース、オレンジジュースもだ。
調味料や、食料も木箱で沢山入れておいた。
出来てる料理は、サンドイッチ、ハンバーガー、おにぎり、ポテトサラダ、フライドチキン、フライドオニオン。ポテトチップス、エビフリッター、フィッシュフライ、スープなど。
万能ポーションは10000個位入れた。
これだけ有れば暫くは、大丈夫だよね♪
◇◇◇◇◇
さぁ、ご飯だな。
おっさん達が腹を空かせているだろう。
カレーライスに、ハンバーグトッピングだ!!
サラダに、野菜スープ、フライドポテト、肉野菜炒め。
窓側のオープンスペースの広いテーブルに行こう。
料理を運んでから、おっさん達に声をかけた。
寝てたけど、匂いで目が覚めたらしい。
洗面所で顔や手を洗う様に、タオルを渡す。
連れ立って行く2人の後ろ姿、支える腕…ご馳走さま♪
ぐ腐腐腐腐…
萌えた♪
食事をみて顔を輝かせ、互いに視線を合わせたりする、おっさん。
2人の姿を見てお腹いっぱいだ~。
満足だ!!
おっさん達には、回復するまで居るように、声をかけた。
荷物も何もない、おっさん達に装備や荷物を渡した。
手持ちのお金を渡そうとされたが断って、頼みを2件。
体力が回復したら、結界内から、ゴブリン退治が出来ないか…と。
ゴブリンに囲まれた暮らしは、ちょっとね!?
これは、出発前にやろうと思ってたとの事、引き受けてくれた。
2つ目は、町に行ったら日用品等を買って持って来てくれないかな…と。
どんな品がいくら位か、見てみたいのと、また人に会いたいと言うと、笑って了解してくれた。
◇◇◇◇◇
私は掛け算を楽しんでいた。
おっさん達は3日ほど静養し、その後は体慣らしに訓練したり、結界内からゴブリンとオークを間引いてくれた。
10日もすると敷地外に張り付いていた、ゴブリンとオークは居なくなった。
少し様子をみていたが、2週間後に旅立って行った。
おっさん達を見送った。
2人の後ろ姿に、萌えた!
暫く、萌えの余韻に浸る。
…じゃあ、マンガの続きを読もうかな♪
お読み下さり、ありがとうございましたm(__)m
【モーニング】
【モーニング・サービス】
↓
朝の時間限定のサービスメニューです。
ドリンク代+無料~有料で、和食~洋食まで幅広いメニューがあります。
定番はコーヒー代だけでトーストやゆで玉子、サラダ。
うどんや茶碗蒸しが付く所も。
小倉マーガリントーストとか、ソーセージ、スクランブルエッグとかも。
お豆腐屋さんのモーニングで、出来立て豆腐とか、モーニングバイキングやってるお店もあります。
愛知県の喫茶店は、導入してる所が殆どで、店の独自性が楽しいですよ~
※※※※※※※※
7月9日続編【異世界漫喫②】を投稿しました。良かったら読んで下さい!!