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The End of The World   作者: コロタン
23/88

第22話 白い部屋

  俺は、泣き止んだ美希を連れて、家の中に戻った。


  「お姉ちゃん・・・大丈夫・・・?」


  「美希・・・ごめんな・・・俺、うまく言葉が出なくて、誠治さんにお願いしたんだ・・・」


  リビングに入って来た美希を見て、2人が駆け寄り、美希に声をかけている。


  本当に良い家族だ・・・心で繋がった家族は、血の繋がりより美しく、そして強い。

  見ているだけで、こちらまで暖かい気持ちになれる。


  「うん・・・まだ、色々至らないところも多いけど・・・誠治さんが、私達の事を家族だって言ってくれたから・・・待っててくれるって言ってくれたから・・・私、頑張るね・・・」


  美希がそう言い、俺の方を見る・・・。

  俺は無言で頷き、悠介と千枝は、涙を流す美希を慰めている。

  美希は、涙を流しながらも笑って居た・・・。






  「おじちゃんはねー、お父さんみたいだから大好き!」


  美希が泣き止んだ後、俺に向かって千枝が言い、抱きついて来た。

  俺は抱きついて来た千枝の頭を撫でてやった。


  「あぁ、誠治さんは父さんに雰囲気が似てるからなぁ・・・」


  「そうだね・・・」


  2人が感慨深げに呟いた。


  「そうなのか?」


  俺は2人に聞き返した。


  「そうですね・・・血が繋がっていない兄と私にも、実の子のように接してくれて、優しくて、頼りになる人でした・・・」


  美希が父親について話してくれた。

  内容から察するに、千枝の実の父親だろう。


  「俺はそんな大層な人間じゃないよ・・・」


  「そんなこと無いです! 誠治さんは、優しくて、頼りになって、そして、魅力的な人です!」


  否定する俺に、美希は拳を握り力説してきた。

  悠介は、そんな美希を見てニヤニヤしている・・・何なんだこいつは・・・。


  「そいつは光栄だ・・・」


  俺は美希の迫力に気圧されてたじろいだ。


  「おじちゃんはねー、いつも私達を守ってくれてね、優しくて、かっこいい! だから、大好き!」


  千枝も、再度俺に言い、首のあたりに抱きついてくる。


  「俺も、優しくて、いつも頑張ってる千枝ちゃんが大好きだよ!」


  「やったー! ありがとう!」


  俺が千枝に言ってやると、喜んでくれた。

  俺と千枝を、悠介達は笑って見ていた。






  俺は、夕飯とお風呂を済ませたあと、2階の一室の前でうろうろとしていた。


  「どうしよう・・・入って良いものかどうか・・・」


  「誠治さん、どうかしたんですか?」


  俺がブツブツと独り言を言いながら佇んでいると、声をかれられた。


  「うわぁっ!?・・・美希ちゃん!? どうしたの!?」


  ビックリした俺が声のした方を見たら、美希が立っていた。

  風呂上がり特有の良い匂いがして、湿った髪と上気した素肌が妙に色っぽい・・・。


  「それはこっちのセリフですよ・・・どうしたんです? その部屋に何かあるんですか?」


  美希は、訝しげに言いながら、俺の立っている部屋の入り口を見ている。


  「あぁ、何かあるって訳じゃ無いんだけど・・・ここ、夏帆の部屋なんだ・・・」


  俺は居心地悪そうな感じで美希に言った・・・。


  「夏帆さんって、誠治さんの彼女さんですよね? 入らないんですか? そう言えば、リビングの写真見ましたけど、夏帆さんって凄い美人な人だったので驚きましたよ・・・」


  美希は俺に問いかけてきたが、夏帆の写真の話になると、少し元気が無くなった・・・自分で言って凹むなよ・・・。


  夏帆は、黒いストレートロングの髪と白い肌だったが、美希は少し茶色がかった髪色で、少しウェーブがかっている。肌は健康的な色で、美希は顔立ちも整っていて、綺麗と可愛いの中間って感じだ。

  病気で2年近く休学してたというのが信じられないくらい元気にしている。


  「それが、迷ってるんだよね・・・入って良いものか・・・」


  「そんなの、彼氏なんですから、入れば良いじゃないですか!」


  美希はそう言い、部屋の扉を一気に開けた・・・。

  (昨夜それで千枝を怒ったのはどちらさんでしたっけ!?)


  俺がそう思っていると、美希が背中を押して来た。





  俺は美希に押されて部屋の中へ入った。


  「綺麗な部屋ですね・・・白基調で、イメージにぴったりです!」


  美希は感動している。


  「夏帆は白が好きだったからね・・・」


  俺は美希に答える。


  「どうですか、誠治さん?入ってみたらどうって事無かったでしょう?」


  美希がニコニコしながら問いかけてくる。

  美希は、迷っていた俺の背中を、文字通り押してくれたのだ。


  「あぁ、そうだな・・・美希ちゃん、ありがとうな・・・」


  俺は美希にお礼を言った。

  すると、階下から千枝の声が近づいて来た。


  「お姉ちゃん、どこにいるのー? ・・・あっ! いた! もーっ! 返事くらいしてよ!」


  千枝がほっぺたを膨らませ、文句を言いながら部屋に入って来た・・・。


  「うわーっ! このお部屋真っ白! 綺麗だねーっ!」


  千枝は、部屋に入るなり、そう言って辺りを見回した。


  「ごめん、千枝・・・ここ、誠治さんの彼女の夏帆さんって人のお部屋なんだって! 綺麗だよね!」


  美希は、千枝に謝り、部屋について語った。


  こんな可愛い子達に部屋を褒められたら、夏帆なら喜んでるかな?

  それとも、勝手に部屋に入って怒られるかな?


  俺がそんな事を考えながら2人を見ていると、美希が何かを見てけた。

  アルバムと日記だった。


  「日記は流石に申し訳ないですけど、アルバムは見ても良いですかね!?」


  「えっ!? アルバム!? 私も見たーい!」


  アルバムを見つけ、2人のテンションが上がる・・・。


  「良いんじゃないかな・・・?」


  俺は、半ば諦めつつ許可を出し、アルバムを見て語り合う2人を見つめながらため息を吐いた・・・。


  「夏帆・・・ごめん・・・」


  俺は、一言そう呟き、椅子に座って2人を眺め続けた・・・。

  

  

  

  


  


  

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