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派閥
なぜ?なぜ?と佐島の上司は思っていた。
佐島は絶対に派閥に手をだないと思っていたからだ。
しかし部下の、中山はわかっていた。
佐島自身が派閥闘争に巻き込まれないためには自身が派閥の長になれば良いからだ。
派閥を作ることで、自分の立場も安定するだろう。
しかしそれをよく思わない人間がいた。
その者の名は、原田専務だった。
原田専務は社内の最大派閥原田派を率いていて次期社長と目されていた。
原田は何としても佐島派を原田派に引き入れたいと考えていた。
自分の出世のためだけに。
そしてもう一人佐島派を引き入れたいと考えている人がいた。
名は、中村副社長だ。
中村副社長も次期社長と目されている一人だ。
当然中村副社長も派閥を率いていた。
中村派は社内No.2の規模だった。




