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かわいそうなひとたち
「とらないでっとらないであたしなんにもなくなっちゃうっ…!大っ嫌いだけど、いらないけど、あたしにはこれしかないの…!!
魔物は戸惑いました。今までの子は喜んで差し出したそれを少女は大切に抱え込んで離そうとしないのです。もちろん魔物は無理矢理に奪うつもりはありませんでした。むしろ彼にとっては良かれとさえ思っていったことで、こんな風に泣かれるなんて露ほどにも思ってなかったのです。泣きじゃくる少女を前にうろたえる魔物はひどく滑稽で、それでいて彼らはかわいそうな人たちでした。
魔物は少女の前に大きな体を縮こませ、座り込みました。そして、ゆっくりと君にとってそれが大事ならとらないよと伝えるのです。