かさぶた
あの時を
剥いてみたら
赦せない心が流れ出た
もう忘れました
もう平気です
と
笑いとばした
はずだった
あの時
歪められた言葉を
真っ赤な文字でぶつけられた
言葉を
撃ちつけられた言葉を
私は
まだ握ったまま
震えていた
赦したい
赦されたい
嗚咽に濡れたあのときから
解き放たれたい
痛みが波打ち
激が
静かに起き上がろうと
していた
忘れなさい
忘れてしまいなさい
と
たくさんの良心から
頂いた言葉の薬を
塗り込んでゆく
もうなんだったのか
忘れてしまうまで
繰り返し繰り返し