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それは満月の日に  作者: 櫟 千一
望月との出会い
6/18

二度目の言葉

「・・・・で、いつまで僕の家にいる気?」

ずっとテレビゲームをしている望月に問う。

「もうちょっとやらせて! すごく良いところだから!!」

「いやいや・・・明日転校生として学校来ることになってるんだから、何か自己紹介とか考えとけよ」

「その辺は何とかなるでしょ」

ゲームに夢中で楽観的な考え方しか出来なくなっている。

コンセントを抜こうとも思ったが、同じ気持ちで考えると非道なのでやめた。


その後、三時間ほど僕の家でゲームをしたあと、望月は誰かに電話をしていた。

「じゃあ、私そろそろ帰るね。今日はありがとう」

「待って。どこまで行くの?」

「駅」

「望月、駅までの道のり知ってるの?」

「知らない・・・・」

「じゃあ、送って行くよ」

「そんな、さすがに」

「駅までの道のり知らないのにどうやって行こうって言うんだよ。それに、これくらい気にしなくても良いよ」

望月は、少しモジモジした後にお礼を言った。


駅までの道のりを女の子と歩く日が来るとは思わなかった。

僕も彼女も制服を着ているので、ある意味では制服デートと言うものではないだろうか。

駅が見えて来た頃に、望月は僕に質問をしてきた。

「・・・・弓張はさ。私のこと、どう思ってるの?」

「な、何、急に?」

「私は、その、あの日に、弓張に会えて良かったと思ってるよ」

「そりゃもちろん、僕も、望月に会えて良かったって、思うよ」

急に彼女を意識してしまって、上手く言葉が紡げない。

何を話せば良いのか、それすら、分からない。

「ここまでで良いよ。もう駅は目の前だし」

「そ、そう? でも、やっぱり駅まで」

「・・・・はっきり言うわ。お願いだから来ないで」

どこかで聞いた言葉だ。どこで聞いたっけ・・・

そうだ。初めて彼女に会った時だ。

あの時は、迷っていて、結局望月一人で帰ってしまった。もう迷わない。これは、反撃するところだ。

「望月!!」

顔をあげて名前を呼ぶと、望月はすでにいなくなっていた。


前回と同じ結果になってしまった。

これで良かったのか。いや、良くない。

あいつは、望月は、僕にあまり近付かせようとしないのは何故なんだ。

考えても仕方ない。今は、明日に備えてゆっくり休もう。




つづく

お久しぶりです。1ヶ月ぶりの更新になりました。

今回は少し短めになりましたが、仕方ないと思っています。

不定期更新が続きますが、温かい目で見守ってください。

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