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幸福を示す羅針盤  作者: 夏波
本編
31/39

困惑の果てに

レイ視点です。やっぱりレイ君だと書きやすい。


 え、ちょっ、何!?何なのこの状況!誰か俺に説明を!!



「ゼフィレリ家の神童がこっちにいるとなれば、無駄な抵抗はないだろうな」

「寧ろ簡単にスチュアート=ゼフィレリのところまで行けるんじゃないか?」

「はっ!違いない!」



 この人達何言ってんの!?何語!?


 話の内容からして父さんに会いに行くみたいだけど……どう見てもお客様には見えないぞ、その悪人面!!やめてその笑った顔超怖いですから!



 切実に通訳が欲しい!あ、言葉自体はちゃんとわかってるよ!?言葉じゃなくて、意味の方!俺にもわかるような易しい言葉に翻訳してくれ!!











 いや何これ、絶対におかしいって!なんで皆さん銃片手にうちの屋敷に乗り込んでる訳!?あれ?俺何したんだ!?ただちょっと掃除するから「手を貸してくれ」ってお願いしただけだよな!?

 ……あ、もしかして、すっごい真剣に話し込んでる最中に邪魔しちゃったからか!?一応「歓談中すまないが」って一言断ったんだけど、あれまずかった!?庭園の近くに居たからいいかなぁとか思ったけど、なんかごめんなさい!!



 絶対、かなり頭にきてるよなー……。だってさ、いきなり顔色変えられて、ついて来てくださいますかって有無を言わせぬ怖さで聞かれて、なんか一旦外連れてかれて、うわ人増えた!?って思う間もなく屋敷へ突入って。これってあれか?俺の態度の不遜さを父さんに抗議しに行く感じなのか!?まずい……なんかありえそう!俺への日頃の鬱憤も晴らしてやるぜ!みたいな事になってるんじゃないか!?――――え、でも抗議に銃って……なんてデンジャラスなんだ……!











 ――――とか思ってた少し前の俺、今すぐ土に埋まってしまえ……!全っ然違う!!そんなんじゃない!


 ……こいつら、父さんの命を狙ってやがる。屋敷で騒ぎを起こすために、銃を撃ったんだ。しかも、人に向けて――――。

 撃たれたのは、名前も顔も覚えがないけど、屋敷のメイドの一人だ。たぶん……死んではいないと思う。そんなに血が出てなかったから、掠った程度だろう。良かった……。


 けどその一発は、屋敷をパニックに陥れるのには十分だったみたいで。いつも忙しそうに、だけど楽しそうにくるくる動き回っていたメイド達の悲鳴が聞こえる。……仕方ない。屋敷の中で突然銃声がしたら、誰だってそうなる。



 俺のせいだ……。俺が馬鹿な事考えてたせいで、気づかない内に敵を、こんなところまで連れてきちゃってたんだ。しかも、屋敷の騒ぎに便乗して何人かずつに分かれて散らばってしまった。……あぁもう俺の馬鹿!あほ!その間ずっと呆然として動けなかったとか、どんだけ俺はだめなチキン野郎なんだ!!


 俺が招いた事なんだから、俺がなんとかしなきゃ……。もうすでに父さんに迷惑かけてるだろうけど、これ以上は止めなきゃいけないだろ!











 俺は敵のリーダー格の男と、他数人と行動していた。俺がなんとかしないとって思ったけど、どうしたって俺一人じゃ無理……。セストさん達に射撃とか、戦闘とかの訓練を10年近くしてもらってたから、正々堂々不意打ちでなら、俺でもなんとかなりそうだけど、それが効くのはせいぜい二人。……今は無理だ。

 こいつら俺の事、味方だってすっかり信じてるみたいだから、それを利用しながらなんとかうまく動かないと……。




 ――――って、おぉ!グレン発見!!……と、ラウルさんも!




 グレンとは、掃除に必要なものを用意してくれって頼んだっきり、離れ離れだったんだよ……。うぅ……心細かった……!いや、グレンは悪くない!悪いの俺だから!


 意気揚々と歩いてるあいつらからそっと抜け出して、グレン達に近づく。なんか、もうこっちのもんだぜ!的なノリだから、あいつらあんまり周りを警戒してないんだ。不思議な事にあんまり人と会わないから、それでも平気みたいだけど。とにかくそれは助かった。警戒バリバリだったら、チキンな俺が孤軍奮闘しなきゃなんなかったし。



「――――グレン」

「レイ様……!」



 驚いたように目を見開くグレンとラウルさん。……イケメン達はどんな顔でも決まってるな。でもグレンの驚き顔がイケメン度を保ちつつもすごい事になってる……!それもそうか。俺いきなりいなくなったし、二人からすれば俺は今、敵と一緒にいたんだから。


 でも、悪いけど説明も謝罪も全部後にさせてもらわないと。今やらなきゃいけない事の方が優先なんだ。



「グレン、俺が機を見て敵を止めるから隠れて援護してくれ。ラウルは母と弟を頼む」

「――――……畏まりました!」



 やっぱり二人はちゃんとわかってるから、すぐに俺の真意を察してくれた。あぁもう、本当に出来る人達だよな。グレンはやっぱり、俺なんかの部下にはもったいないくらいだし、ラウルさんはさすが父さんの部下ってぐらいだ。



「――――グレン……」

「はい」

「……すまない」



 俺なんかの部下でいてもらっちゃって!本当申し訳ない!!


 なんか急に謝りたくなって、俺は捨て台詞の如くそう言って、その場を離れた。


区切りがいいので一旦ここで。


レイ君の思考回路が訳わからない事になってますが、あれはそのまま夏波自身の迷走を表しています。……実は昨日、この作品と設定や台詞が同じ二次創作の作品があるというご指摘を頂きまして、すごく驚いているのです。私はその作品を読んだ事はないのですが、ご指摘頂いた方以外にそう思っている方がいて、不快に思われていたらと思うと、本当に申し訳ないです……。そちらの作品がどういった話の流れなのかはわからないのですが、せめて少しでも被る事のないようにと思った結果、逆に訳が分からない事になってしまいました……。楽しみにしてますと仰って下さる方もいるので、私としてはこのまま完結まで続けたいと思っていますが、どうしても嫌だとご不快に思われる方がいましたらこの作品を下げる事も考えていますので、遠慮なくご指摘くださいませ。

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