プロローグ
初投稿なくせに完全見切り発車という……
ご、ごめんなさい!!
―――たとえ今死んでも、昨日までよりは楽に三途の川を渡れる気がする……!
彼は本気で、そう思っていた。
彼――高崎怜は、高校三年生。いわゆる進学校に在籍し、志望校である難関大合格を目指して日々受験勉強に励み、つい先日その全てをぶつけ、そして先ほど、努力が実を結んだ事がわかったのだった。
現在の彼の辞書に、「後悔」という文字はない。「未練」も、削除された。
彼はただ、ひたすら浮かれていた。たとえ周囲にそう見えなくても、浮かれきっていた。たとえ、「高崎先輩って、何考えてるんだろう……あんな見事な憂い顔で………はっ、まさか彼女のこと!?」「いやぁー!!!ダメ、先輩が誰かのものになるなんて!!!!」「大丈夫よ、高崎先輩に簡単に近づける子なんていないんだから!!」「そうよねっ、あの美貌とミステリアスな雰囲気にのこのこ近づいていける子なんて、そうそういないよね!」「うん、そうだよね!!……でも、じゃあなんであんな表情なんだろう……」「きっと、すごい難しいこと考えてるのよ」「そうだよ、きっと。あぁでも、すっごい絵になるわ……」「美形が憂い顔で考え事…………イイ……!!」と評される表情と寸分違わぬものであっても、ルンルン気分でスキップしたいくらい、浮かれていたのだ。
――――だから、気づかなかった。制御を失い、猛スピードで走る車が、自分に迫っていたのを。
その現場を目撃してしまったある女生徒は、涙交じりにこう言った。
「高崎、先輩……っ、車に気付いた時には、っもう、間に合わなくて……っ、でも、でも先輩っ……なんか、こう、すべてを受け入れるっ……みたいな、感じで……すっと立っててっ、もう、もう……っ」
高崎怜、18歳。大学に合格したばかりの、前途の明るい、これからというはずだった少年の人生は、こうして幕を閉じたのだった。
初めまして、夏波と申します。
い、いかがだったでしょうか……?これから頑張って書くので、「しょうがないから読んであげるわ」という心優しい方が居られましたら、どうぞよろしくお願いします。