第十五話 アレックスとエドワード
エドリックはただただ、三人を見つめるしか出来なかった。
「俺はアレックス。こっちが弟のエドワード」
赤髪の少年、アレックスがエドリックに向かって、そう言った。金髪の少年、エドワードは右手にナイフを持ったまま、何も言わなかった。
「あんたも終わりだよ」
エドワードがそう言い、エドリックに近づく。
だが、エルトリックがエドリックをかばうように、両腕をエドリックの前で広げた。
その行動に二人は顔を見合わせたが、笑いだしたのだ。
「やっぱり」
「お前は俺達を裏切った。あいつが死ねばいいって言ったのは、お前だろう?」
と、アレックスが言う。
「たった一人の家族だから・・・・」
エルトリックはうつむいて言った。エドリックはエルトリックを見ている。
「たった一人の家族だから、死なせちゃいけないんだ」
エルトリックは二人を睨んでそう答えた。眼は強い意思をもっている。
そんなエルトリックに、エドワードがナイフをむけてきた。
ザシュッ!
腕を通り、血が床に落ちる。ポタポタと音をたてて・・・・・・
「兄さん!」
エドリックはエルトリックをかばったのだ。左腕にエドワードが持っていたナイフが刺さっている。
「くっ・・・・・」
痛みに顔をゆがめる。ナイフを抜くと、エドリックはアレックスとエドワードに言った。
「赤いドレスを着た片足のエディは、お前達の姉だろ」
二人の身体がわずかに反応した。
「なんでそのことを、知ってる!」
アレックスが叫びに近い声で言った。冷静だった眼が揺れている。
それはエドワードも同じだった。
「警察に聞いたんだ。あの殺人のやり方が、数年前の殺人鬼、片足のエディに似てるって。それで、エディには双子の兄弟がいるって。だが、警察の手によってエディは死んだ。エルトリックを利用して、無差別に殺人を繰り返し、エディと同じようになりたかったんだろ。違うか?」
「正確に言えば、姉貴は人殺しを生きる目的としていたんだ」
「姉貴が死んで、エドワードが詩を作ったんだよ、姉貴の詩を」
アレックスとエドワードが交互に言う。エドリックはそれを聞いていた。
「話は終わったんだ。じゃぁ、死んでもらおうか」
二人の声が重なり、手に持っているナイフがキラリと光。笑みを浮かべながら、アレックスとエドワードが二人に近づいていった・・・・・・・
アレックスとエドワードがでてきました!
なんか、変ですかね?