第一話 弟の闇
俺はいつも通り、キッチンで弟の朝食を作っていた。
七年ぶりにやっと会えた、たった一人の弟・エルトリック。エルトリックは母さん似で優しかった。
「うわあああああああ!!!!!!」
その時、二階にあるエルトリックの寝室から悲鳴が聞こえてきた。
俺は階段を駆け上がると、エルトリックの部屋のドアを勢い良く開けた。
ベッドの上で泣き叫ぶエルトリックの光景が眼に入る。一体、どうしたのだろう、と思った。
「どうしたんだ、エルトリック」
俺の声を聞いて、エルトリックは俺に飛びついた。
まだ、十歳の小さい弟は、悪夢でも見たかのような感じだった。
「兄さん!兄さん!兄さん!兄さん!」
エルトリックは俺のことを呼び続けた。俺は不思議に思いながらも、エルトリックに聞いてみた。
「どうしたんだよ、そんなに、泣きじゃくって。変な夢でも見たのか?」
首を左右に振るエルトリック、泣きすぎたのか、目が赤くなっている。
「兄さんが・・・・いなくなったの・・・・・・かと思って・・・・」
俺の首にしがみつくエルトリックを、俺はそっと、優しく抱きしめた。母さんがやってくれたみたいに、優しく。
「俺は何処にもいかねぇよ」
「ほん・・・とう・・・・・・?」
「ああ、本当だ。じゃぁ、約束するか?」
そう言って俺は、左手の小指をエルトリックの前にだした。
エルトリックはこくんと頷き、自分の左手の小指を俺と合わせた。
「「嘘ついたら、針千本飲まず、指きった!」」
二人で声を合わせながら、約束をした。弟・・・・エルトリックとの約束を交わした。
「腹減っただろ。朝食、食べるか」
俺はエルトリックに笑いかけながら言った。エルトリックは「うん」と頷いて、一階のリビングに向かって階段を下りはじめた。
えーっと、変な小説になってしまいました。
これから、どんな展開していこうか、迷ってます^^;