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名の無い彼と名無しの彼女  作者: 水口 秋
第一章、皆様に安らぎを。
6/50

「バランス」感覚はもともと人間に備わっているもの。

維祐と藍理は追いかけていた。進化してしまったバンジーを。

「クソッ!ただの雑魚だったのに《アドバンス》に成長させやがってっ!」

「うん、この展開は予想外だったよね」

二人は狼狽していた。二人はバンジーを追っている途中だ。だが、その途中で様々なものを見てしまう。

否――感じてしまう。

民家の密集区にはある異質が充満していた。 その正体とは『死』だった。

「あいつは呼声を使いまくって魂をくらい続けている、それでいいんだよな?」

「うん、一応は」


魂を抜かれた人間とは、残酷なものだ。

骨格を壊された人間、脳を破壊された人間、心臓を潰された人間、そんなものよりもっと。

骨格、脳、心臓を肉体または身体と定義すると魂はそれに宿る精神である。

肉体・身体は部品(パーツ)でしかなく、それに魂が搭乗することによって完全な人間が出来上がる。

人間が死ぬには肉体に致命傷を負わせることが必要だ。だが、厳密に、緻密に言うと、それは完全な死ではない。肉体が死んでも、宿っている魂には何ら傷はつかない。

仏教の考え方で輪廻転生というものがある。

肉体は死んでも魂が生きているのなら来世に転生が可能であるというものだ。

踏まえて、魂の無い肉体は、とてもまずいことになる。

肉体は死、魂は存在するならいいが、肉体は生き、魂が存在しないなら、その先に待っているのは――、

世界のバランスの崩壊でしかない。

人の魂が一定に保たれていると仮定すれば―――――――、破壊と崩壊しかない。

一人や二人ならいいが、こう多人数になるとかなりやばい。

だから―――――――――――――――――――――――――――――、


「藍理、急ぐぞっ!」

「なんなりとっ!」


仏人は火急の勢いでバンジーの元へと急ぐ。

彼らが通った後には、一陣の風しか残らなかった。

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