『オープニング』は突然にして…―――。
《ヨクアル独白》
オープニングは突然にして王道であり、ありありありありありああああああああああ。
夢を見た。闇より暗い、『僕』に喰らい憑いてくる嫌な夢。
僕は超一流の魔法使いになる筈の家系の出だった。
掛け値無しで、だ。
だが、何処でそのボタンを掛け違えたのだろうか。僕は超優等生という肩書きを「持つ」はずだった学生生活を超劣等生としての肩書きを「背負って」過ごした。
厭ではなかった。嘘でも虚言でもない。
両方同じ表現だが絶対的な違いがある。
それは数。それは文字数。それがどうした?と誰もが言うだろう。だが、その所為で僕は超劣等生となった。
さきほど、何処でボタンを掛け違ったのか分からないと言ったが訂正する。何処でボタンを掛け違ったのかは検討はついている。だが、何処のボタンを掛け違ったのかは…分からない。
超劣等生の僕には誰も…近づいては来なかった。僕が「緑」を「背負って」いるからだ。表現などではない。事実背負っているのだ。持つはずだった「紫」を「塗りつぶし」てその分も併せて「緑」を背負っている。比喩などではない…譬喩などではない。「緑」は僕の体内のどこかに在る。未確認だが確認しなくても感じる。
突然現れた魔法使ヒの「ソトイロミドリ」は別世界の人間であるにも関わらず、魔法の概念を「捉えた」。本来なら「拘われ」ないのに。
魔法使ヒはあり得ることが「ない」世界の色を持っていた。それは――――――――…。
てーなかんじの夢を観てた。
いや、ほぼ真実ナンだけどまー愚鈍な空想も多少孕んでたような気がした…ような気がするからまあいいや。
夢オチのさらに夢オチ。ハイレベルな劣化をもたらす要因に成りかねないな…。
ハレルヤ、ハレルヤ。
あー、はれるやー。
いや、なんとなく。ね。
ココで一つ新事実。第二章になって。
彼と彼女と赤皿藍理と苛納柁維佑は僕が殺しました。なんだか後々物語が混雑としてきそうなので。
第一章ラスト格好良く締めたけど、その後なんか「あ、これで僕以外の主要登場人物が死んだら僕から視点になるんじゃねッ?」って思って。
テへっ☆。
なので第二章は僕視点の語りになるんでそこヨロシク。
けどさー、断言するけど。
『彼、彼女、苛納柁維佑、赤皿藍理が死んだって特に世界に変化は起きないと思うんだよ。』
いや、コレマジで。
なぜならさ。
『一人、若しくは数人程度で世界をどうこうなんてのは絶対に不可能だろう。』
捻くれた考え方をせず普通に考えたら。
だってそうだろ。クレアだって世界を壊せなかったじゃん。
僕たちから記憶を奪い去って世界を去った。
それだけ。
あれだけのことをして、あれだけの大仰な事をしてそれだけ。
なら別にいいじゃんッ。
どうせ後釜に誰かが入るよ。
彼らは普通だ。彼らが各個人のことを異常と捉えようが普通と捉えようが、普通の部類だ。
何て言ったって、自分の事がどうしたって分かっちゃってるから。
定義出来ている。
どう定義するかは知らないが、無意識的にはしているはずだ。
人がどうして走るのか。
どうして立っていられるのか。
それは人体の筋肉の使い方次第だが、そんなのは自分の中で完結する概念だろー。
それとおんなじ。
テイギデキルテイドノイジョウハフツウダ。だからふつう。
普通でも理解できるから普通。理解できるって事は乖離出来てないって事。
普通なら良いじゃん。
この言葉は――――…、
辛辣かい?
厳密かい?
方便かい?
想像かい?
妄想かい?
適当かい?
適度かい?
普通かい?
異常かい?
遊戯かい?
悪戯かい?
常識かい?
阿呆かい?
馬鹿かい?
利口かい?
詭弁かい?
エゴかい?
低能かい?
無能かい?
…………。
違うかい?
違わないだろう。
いや、違わないさ。
反語法も使う価値もない。
掛け値なく。
この僕はその代わり異常だ。
自分のことを『理解さえ出来ていない』分、異常だ。
理解できていないと言うことは同時に乖離出来ているってこと。
だから普通には理解出来ない。理解出来ないのならそれはもう離間しており、普通からすると理外の理でしか無いだろう。ああ、勘違いしないでね。普通から異常は視えない底なし沼かもしれないが、異常から普遍は底が筒抜けに視える河原でしかないから。
話が逸れたね。
つまり言いたいことは突き詰めれば大部分の普通は成すべき事を胸にしまっているが、ソレは別の人間であっても構わないって事。
―――…あん?
そんな事あの文章から読みとれないって…。
はぁ。しっかり読んだ、内容判別ちゃんと出来た?
したなら解るだろう。
それは普通だから理解できないんだよー。
阿呆だなー。
分かり易く言えばこれはレヴェルなんだよね。
普通も異常も一応の上限はLv.100だが、その上限の上限を目指そうとするヤツが偶にいるんだねこれが。それも意識的に無意識に。そして、ソイツがイチレヴェルでも越えてしまうと、ソイツは異常。
Lv.101
でも。
Lv.1200
でも。
後戻りは不可。
もう孵化しちゃってるから。
成虫が幼虫に戻ることは無理だろう。
蝉が蛹に戻るのは無理だろう。
そう言った意味での異常なんだよー。
あー、異常って言葉がゲシュタルト崩壊してるなー。
だから殺してもいいじゃんっ。
なんだか言い訳みたいになったけど、そう言うこと。
何奴も抵抗は皆無だったよー。
なんせ空間を割ったからね。
ガラスのグラスに蛙を入れてガラスが蛙に降り注ぐように割ったら中の蛙はどうなる?
下手すりゃあ死んじゃうんじゃないかな。
ソレとヤリカタは同じ。
神鈴《乃巧》使って。
神鈴の中でも秘蔵っ子の神鈴。伝説がないことが伝説の神鈴。
ソレを使った。
出し惜しみはしない。
湯水のように…使い切る。
そして地均しに乃巧で戻す。
完璧だ。
じゃあアイツを今度こそ見つけるために肩慣らしといきましょうか。
んじゃまー、そったら。
《レヴェルイーターの絶滅》でも。
――――キィイイン。
んぁ?なんじゃ、こりゃ…ああぁッ!!!!!
眼前3メートルの所に魔法陣が無から構築されたようにみえた。陣がひとりでに出来る。
音もなく。
五重魔法陣ッ!?
これは…転送魔法かいッ!!
来るとしたら…。
アラ。バラナ。ラガジオ。トゥルーダ。―――ッ、間に合わないッ、ココまでで撃つしか。
指先に流々とした小川を流れるような冷たい水の如く捕らえにくい清純な魔力を集める。
それが創造するのは魔法陣ではない。
それが創造するのは魔法ではない。
魔法、魔法陣、これら二つよりもっと簡単な構造をしているもの。
さながら骨組みのように。
ソレを僕たち魔法使いは『魔力』と呼称する。
《スペル・プロテクション》!!
日本語訳は魔力障壁…、意訳だけど。
指先から波紋状に魔力を散布する。波の無いなだらかな水面に石を投下すると物凄い速さで波形が生まれるだろう。それと同じ、いやそれ以上の速さで魔力が空間に走る。等高線、いや、等圧線だこれは。波源にいくほど線の間隔が短く、障壁としての強さは増す。波源は向かい側に山状になっている。
そうしているうち、次の瞬間。
数十の同系統…否。「同じ魔法」が連射された。
僕の記憶ではその魔法名は……―――――――――――――、
「支配」
クレイ=Adam=シュヴァリエの所有する魔禁法と言う名のシングラーの魔法。
行き成り本命の登場…で、す、か。
ここいらで出しときマスカー。
天矛の……――――――《夢景》。
第一章であのレヴェルイーターが言っていた魔剣と天矛…そして神鈴。
区別は曖昧だ。
だが、これだけは言える。
天矛には力が宿る。力強い力。
夢景も同等価。
僕はこれで。
『神。』
を。
殺した。
それは白い、ただ真っ白い棒だった。
さぁ、ながいー、ながーい、なーがい、-ながい。オープニングも幕を下ろそう。
さー、皆で一緒にー。
皆さまへ。更なる世界への導きを。
え、違うかった?
もしかして安らぎをって思った?思っちゃったわけぇ?
テンプレートは飽き飽きだよ。
チャオってしちゃおー(寒っ)。
僕はこの棒を振るった。
それだけで僕の周りは夢い景になった。
オープニングはここまでかな。
幕は降り切ったね。銀幕が。
さぁ始めようか。
世界の真実をむき出しにするために。孕んだ醜悪を偽善を欺瞞を。
僕は戦うッ(キリッ!!)
てな感じでぎゃははっと一度笑っておこうかな。
まずは孕んだ醜悪を溢すのだー。
さぁ狂おうか。
「ぎゃははははッははははッは―はははっあはははっ――――ああああああああああああッっぎゃぎゃははははっはははははーーーははははハハッハハハハハッハハハッハハハッハハッハハ――――……」
だけど、僕はアイツのようには狂わない。
たはははははっ。
だから笑おう。捨てられなかった悪を繋ぐため。
…ちょっとメタすぎだったね。
特に説くには無いですが。
一つ言わせて下さい。
私は―――っ、どってんばったんがえしが嫌いだぁ―――――――――――――――――――――――――――――――!!!!
はい、嘘ですね。
と言うわけで第二章と言うことです。
実は章設定なんてする気は全くなかったんですけど…。
なんだか小説内で書いちゃって、第二章とか…。
だから創りましたハイ。
では、第二章も宜しく願いまーす。