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名の無い彼と名無しの彼女  作者: 水口 秋
第一章、皆様に安らぎを。
35/50

「生殺与奪」――最悪だ。

《決断ト時》


「…違う」


私は――、ようやく声を絞り出す。

儚く―――消えてしまう声で、言う。

断言する。


『違う』と。


私がするべきことが、『このようなことではないことに』。


「誰だか知らないけど、《拒絶》させてもらうよ。あなたの言葉は私には『届かない。』それほどにあったかどうかも分からないあたしたちの関係は《断絶》しているんだよ」


と、断言が断斬される。


たった一行程度の言葉に。これ以上――――何もいえなかった。

知ってしまった。

彼女は完璧に、百%―――変わり果てていることを。

これでは―――――何も、出来ない。


だから、この程度の戯言しか言えない。


『それってどういう意味?あなたに私達との記憶は在るの?』


としか、だが、ソレも


「それってどうい―――――」


『言えなかった』。『言わせてもらえなかった』。


そして、「「生殺与奪」」が始まった。


『厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ。『厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ。『厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ、厭だ。』


怖い、怖い、怖い、怖い、怖い―――――


彼女の言葉は私を阻む。


彼女の言葉は私を抉る。


彼女の言葉は私を蝕む。


彼女の言葉は私を滞る。


彼女の言葉は私を葬る。


彼女の言葉は私を削る。


彼女の言葉は私を断つ。


彼女の言葉は私を包む。


彼女の言葉は私を掴む。


彼女の言葉は私を突く。


彼女の言葉は私を喰う。


彼女の言葉は私を―――――――――――――――――――――――『殺す』。




『一言』。


『二言』。


『三言』。は無かった。


そこで、私の意識は摘まれた。


『暗転』。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


絶叫――出来ない。


この程度なのか――私は。


弱いなんてものではない。


鈍いなんてものではない。


幼稚なのだ、所詮。


くっ、意識が……遠のく。


極寒の、暗闇に、堕ちてゆく。


どうすれば――――無理か。


『無理なんだ。』私には。


だから、――――――『魔剣』を使おう。


そして、『魔剣』に遣われよう。


意識が鎮静する中で、一言を―――心の中で言う。


『喰らっていいよ―――――――病病』


ワタシヲ、人外へ、彼女と同じ、ステージヘ、連れてって、タノミマス、


――――彼女を……タスケルタメニ、


それに、彼女の胸の内の悲しいまでの言葉に、呼応するように、恋焦がれるように、


『魔剣はひぃん――と光る』。


極限の、極限に小さい光。


それが、それが、『病病』が、行った事。


すなわち、すなわち。


人から仏人、仏人から――――――の昇華。


私は――――、彼女を手伝おう。


まず、その一歩として――――この状況を打破するために、


必殺の―――一撃必殺瞬殺の存在として君臨しよう。


彼女の、藍理の手首に嵌っている紫の腕輪はドロリと溶けだした。


それは意思のある生物。



そして―――――――――――――――――、

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