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名の無い彼と名無しの彼女  作者: 水口 秋
第一章、皆様に安らぎを。
32/50

「オミクロン」とは何文字でしょうか?(問) いいえ、イスラム語です。(回答)

《男側》


赤皿藍理と苛納柁維佑は、彼と彼女が××を失っている事を―――知る由は無かった。

だが、ソレを俺が知っているわけがない。


「――――――――――――…ダレ?」


俺は真に心から思った。ダレダ。

同業者―――、いや、同族者で有ることは確かだ。

だが―――――彼らの反応は常軌を逸している。

常軌を―――逸脱している。

この―――彼らは、『俺たちについて何かを知っている』。

状況から鑑みるに恐らくは―――レヴェルイーターを追い、ここまで来たと言ったところだろう。


「……ダレって、忘れたのか?俺だ、苛納陀維祐―――コードΟ(オミクロン)だ」


「はぁ、オミクロン―――かなり痛いね。ドコの惑星と交信してんの?教えてよ」


「なっ、お前…本当に覚えていないのか?ε β(イプシロン ヴェータ)と言われたお前が」


「……あ、ああっ、あああっ、そうだった、そうだった。俺は『イプシロン ヴェータ』と『言われていた』なっ」

ここは話を合わせとけ。


「えーと、『イプシロン ヴェータ』はそっちが言いだしたんだけど……あ、ゴメ」


俺は一体どんなキャラだったんだっ!!

痛すぎんだろっ。

俺の今までの設定ならもっとまともでストイックなキャラだったはずなんだけど。

一瞬で倒壊したぁああああああああっっ。


「あ、ああ。そぅーーだったっけな。まぁいいや。オミクロンはコイツを追ってきたのか」


「追ってきたというよりはもっと攻撃的な表現が似合うんだけどな。まぁ、そんなところだ。ソッチのソレは―――――お前がやったのか?」


「やった」


「やって、殺して、聞き出した。俺たちの目的に必要な情報を」


「目的?」


「気にするな。気を付けるな。恣意的すぎる目的だ。目的は元々恣意的で自己的なモノなんだけど、コレはそれ以上だ。だから、『俺と彼女には関わるな』と、言わせてもらおう」


「―――っ!?いきなりどうしたんだ、そんなに意気込んで」


「………な」


「えっ?」


「……るな」



「…わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、関わるな、――――――――――――俺達には関わるな」


俺は完全な、完全なる拒絶を表した。

それはもう、完了している。


「それはどういう事だ。お前のその『滲み出るほどの人間とは仏人とは思えない考えられない存在感が関係しているのか?』」


やはり、ばれていた。

ばれているなら―――やることは一つ。




「殺す――――――――――――――――――『創造されし世界リバーシブルワールド(受動)』」


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