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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第93話 1537年 7歳 再び十三湊港から蝦夷地だぞ。

前回は清姫(3歳)との婚約回でした。

今回は――

いよいよ蝦夷地へ戻ります。

以前十三湊を訪れた時には、

安東氏の残党が残っていた。


もし十三湊に安東氏の残党がまだ残っているなら、

南部氏と同盟は組めない――

そう考えていた。


だが、十三湊港は南部氏の管理が行き届き、

活気を取り戻していた。


俺達は十三湊港で、

直江津へ帰る者と、蝦夷地へ向かう者に分かれる。


まず直江津へ帰る者。


① 軽騎兵二千人は陸路で帰還(遊撃含む)。

② 重装歩兵三千人のうち二千人は海路で帰る。

③ 長弓兵や黒子も海路で帰る。


蝦夷地へ海路で行く者。


① 重装歩兵千人。

② 親衛隊。

③ 堺へ行く事を特別に許された志村大吾と胤嵐。

④ 俺を含めた幹部連中と赤目。


蝦夷地には、すでに長尾為景が向かっている。


俺達は十隻の西洋帆船に乗り、

松前へ向かった。


松前港に着く。


港には桟橋が整備され、

西洋帆船が座礁しない造りになっている。


蝦夷地の主要港には、

今後すべて西洋帆船用の桟橋を設置する予定だ。


港には九島兄弟が出迎えてくれた。


九島弥太郎

『若様、お疲れ様でした』


『うん。皆変わりはないか? 蠣崎氏は来たか?』


九島弥太郎

『その説明は栗山隊長にお願いします』


栗山

『若様お疲れ様です。

蠣崎氏は、若様が帰られてから三ヶ月後に来ました。

若様の予想通り、蠣崎の元邸宅に入りました。


訓練通り角副隊長に連絡。

蠣崎氏の後方から角副隊長の騎馬隊で攻撃し、

我々栗山隊と角副隊で包囲殲滅戦となりました。


結果は圧勝で、

蠣崎氏は戦死されました』


『お前達、良くやった!』


栗山と角に、それぞれ10貫ずつ渡す。


『お前達、今まで蝦夷地で大変だっただろう。

次の柿崎隊に引き継ぎ頼む。

柿崎、手続きをしてくれ』


柿崎には、

蝦夷地勤務百人をお願いしていたのだ。


甘粕隊の百人は、

俺達とは別便で越後に戻る。


<祖父と蝦夷地>


元蠣崎氏の邸宅――

現在の松前砦へ向かう。


久しぶりに祖父・長尾為景に会う。


祖父

『龍義か。

ちょっと見ない間に逞しくなったな。

南部氏攻略はどうだった』


俺は、大宝寺氏や南部氏での話を祖父に伝える。


祖父は大興奮で、

「俺がもっと若かったら」を何度も繰り返していた。


次の日。

俺と祖父で蝦夷地に広がる大平原を見に行く。


無論、越後も広い。

しかし蝦夷地の広さは次元が違う。


『お祖父様。

この蝦夷地の広さに蕎麦を植える事が出来たら、

十万人の兵士を雇える事でしょう』


祖父は俺の計画に、

何度も頷いていた。


祖父が健在な内に、

俺は何処まで成長を見せられるだろうか。


次の日。

九島弥太郎と、松前に新しく作った倉庫七棟を見に行く。


倉庫前には九島兄弟全員が俺を迎えてくれた。


逸香

『若様、来て頂けて嬉しいです!』


時香

『若様、私もいるよ~。

倉庫の中見て。皆で一杯にしたんだよ~』


弥太郎

『コラ時香。

若様すいません。子供なので』


弥太郎は、

俺と時香が同じ年齢という事を忘れているのか。


時香

『若様は優しいから大丈夫だよ。行こう』


時香が俺の手を引っ張る。


時香、止めとけ。

安田が怖い顔で睨んでいるぞ。

咳払いなんかしている。


『いいか時香。

人が少ないときは良いけど、

人が沢山いるときだと優しく出来ないからな』


時香

『そうだよね。

若様は私だけに優しければ良いや。行こう!』


これは七歳なりの告白か?


こういうセリフは、

転生前の小学生の時に聞きたかった。


確かに倉庫の中は一杯だった。

干物も多数ある。


真面目モードになり、

弥太郎と「どこでどう売るか」を話し合う。


<蝦夷地の未来>


その夜は俺達の歓迎会だ。


俺は弥太郎、二郎、三郎と話し込む。


『いいか。蝦夷地にはデカい金山がある。

佐渡ヶ島が目処ついたら、これに手を付けたい。

それから炭鉱だ。


石炭というのだが、これを掘り出せば薪がいらない。

石炭で皆の生活を変えていきたい』


俺は和紙を持ってきて、

蝦夷地のさらに北の島の地図を描く。


『これらの島に、千島アイヌと樺太アイヌが住んでいる。

夏じゃないと行けないだろ。


特に樺太は面積も広いし重要となる。

これから俺達和人が増えていくと、

土地を奪われたというアイヌも出てくる。


その代替地として樺太は大事なんだ。

俺はアイヌを一方的に差別や迫害をしたくない。

妥協点を探って行きたいんだよ』


三郎

『樺太はこの夏に行ってきます。

しかし若様、和人が増えて来ますと、

警察や軍隊、政治が必要となって来ます。

誰か責任のある方に常駐して頂けないかと思います』


『そこなんだよ。

そこで長尾家が蝦夷地の守護大名となるため、上洛するのだ。

天皇や将軍、公家関係大名にも根回しで大金を配らないといけない。


蝦夷地の守護大名となれば、

堂々と管理者を置けるのだ』


逸香

『若様、私からも報告がございます。

うちの六郎が、若様がこの前訪れられた村長の娘と結婚しました。

次のアイヌの村長確定ですよ』


俺は六郎に祝いとして百貫渡す。

六郎は金額にびっくりしていた。


『村長ともなれば、村のために使う機会はいくらでもある』


逸香

『若様ありがとうございます。

うちの弟達、アイヌの娘さんに大人気なんですよ。

村には弟達目当てで各地から八家族が引っ越してくる位なんですよ~。

村は女の争いの場となっています』


九島兄弟がモテるのは分かる。

全員男前だし、アイヌ語も喋れるし、

和人の商品を持って来てくれる。


娘しかいない家族は九島兄弟を狙うだろうな~。


時香

『そういう姉さんだって、

アイヌ人からも和人からも求婚されているんだよ~。

人気ないの私だけなんだよ~』


逸香は大工から求婚されたってことだろう。

他にもアイヌからとモテモテだな。


逸香

『コラ、時香。

若様すいません。

こんな兄弟の話しは誰にも言えなくて』


『まぁ男女の事だから、その内解消されるよ。

九島兄弟に言っておくと、

その娘さんに気がないなら無いとハッキリ言うのも優しさだぞ。

娘さんを次の相手に目を向けさせてあげなさい』


九島兄弟

『わかりました』


逸香は

「若様は何でそんなに女心が読めるの?」

という顔をしている。


<新たな長弓>


逸香

『若様、この前来られた黒田リンさんみたいに、

背丈もあり弓矢が上手いアイヌ人の女の子が、

若様の軍隊に入りたいそうです。

明日会われますか?』


『会いたい』


長弓使いの条件は厳しい。

視力が良い。

背丈がある。

弓矢のセンスがある。


この三条件を満たす者は中々いない。


次の日。

逸香が背が百八十ほどある大柄のアイヌ人の女を連れてきた。


逸香

『名前はセルパです。年齢は十八歳。

親兄弟がいなくて、一人で弓矢の技術を磨いたそうです。

日本語も教えたので少し喋れます』


『まず腕が見たい』


飛んでいる鳥を指さす。

セルパが射殺する。――合格だろ。


『なぜ俺の軍隊に入りたいと思ったか』


セルパ

『お前の……』


逸香

『若様よ、セルパ』


セルパ

『若様の所にいた背の高い女が楽しそうだった。

私はこんな背丈だから女として誰も見ない。

後、お金も欲しい』


『合格だ。

明日までに出発の準備を整えてこい』


セルパ

『わかった』


逸香

『セルパ、そこは

「若様、有難うございます」よ』


セルパ

『わかった』


逸香

『若様の時は、

「わかりました」よ。

でしょう、若様』


――逸香。

お前の言葉使いも怪しいぞ。

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