第91話 1537年 7歳 論功行賞だぞ
前回は渡河戦が大成功しました。
今回は――
頑張った人たちへのご褒美回です。
高井輪と浜本将を呼び出す。
ちなみに浜本将は、自分の気持ちとは反対の事を言う病気の奴だ。
俺
『実は工兵をまとめる人間がいなくて困っている。
お前達、工兵に転向してくれよ』
浜本
『はい、喜んでやります。』
俺
『そうか、やってくれるか。
地味な仕事だから引き受け手がいなくて困ってたんだよ。
高井がみんなをまとめてくれよ。頼んだぞ!』
後で聞くと浜本は工兵をやりたくなかったらしい。
反対の事を言う病気の奴は大変だな。
そして高井と浜本はケンカになったとさ。
指定された宿舎に戻る。
死者を聞くと二十名。
八十名は完治するとのこと。
八十名は療養も兼ねてこの地で治療だ。
宇佐美も一緒だから大丈夫だろう。
さて、本番の論功行賞だ。
<男達の願い>
先ずは雷蔵だ。百貫。
雷蔵
『若様、有難う御座います。一つお願いがあります。』
まぁ雷蔵だから、嫁くれなんて言わないだろ。
俺
『いいぞ』
雷蔵
『胤嵐が長く里に帰っていないので、
一旦里帰りを許して頂きたいのです。』
胤嵐
『おい雷蔵。俺は別に良いのだぞ』
雷蔵
『胤嵐はこの部隊が好きなんだけれども、
宝蔵院も好きなのです。
それが分かるだけに一旦帰してやりたいのです』
胤嵐が抜けると正直痛い。
だが、これは断れない。
俺
『分かった。堺に行く時一緒に来い』
まぁ男の友情を優先してやろう。
本当に雷蔵は昭和の男だなぁ。
次は黒崎兄弟だ。
二人は目も合わせない。
あれだけ仲が良かった兄弟なのに。
原因は一つ、黒田リンだ。
各自に百貫ずつ渡す。
俺
『これで美味しい物でも食べろ』
ようやく二人がニッコリ。
……さては黒田リンとのデート費用に使うつもりだな。
次にスケベ大助次郎だ。
渡河戦でこの男のハイキックは見事だった。
雷蔵がいなければ死んでいたが。
スケベにも百貫やる。
嫌だけど。
スケベ
『若様に一つお願いがあります。
黒田リンさんをお嫁に下さい。』
俺
『却下だ』
スケベ
『却下なんてあるんですかーーーーー』
黒崎兄弟がとんでもない目で睨んでいるぞ。
雷蔵
『バカ、長弓の皆さんに謝れ』
雷蔵が、
万引きした子供の不始末を店に謝る親のように
深々と頭を下げる。
スケベにも頭を下げさす。
俺
『大助次郎に黒田リンへの接近禁止命令を出す。
もし破った場合には蝦夷地の最北端の警備とする。
その時は熊でも恋人にしろ。
長弓兵は後ろからコイツを撃たないでやってな。
空曹、このバカの面倒を見てやってくれ』
空曹とは空教の教祖だ
空教とは
極悪人を殺せば極楽に行けるという殺人教団だ
空曹は信者が増えたかのように喜び、
スケベの話を聞き込む。
スケベ
『何で俺だけーーー』
膝を抱え
泣くスケベ。
慰める空曹。
空曹は殺人教団の教祖のくせに
面倒見が良いのだ
――一人のスケベを除いて、皆幸せそうで良かった。
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