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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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90/115

第90話 1537年、7歳 南部氏に敵対する豪族との対決だぞ

前回、南部氏との同盟条件は整った。

だが――

約束は、力で証明しなければ意味を持たない。

戦国最大の難所、渡河戦が始まる。



南部氏は三戸(岩手県三戸郡)を本拠に、北上川流域への南下政策を推進していた。

和賀氏は南部氏の家臣名簿に名を連ねていたが、実際には半独立状態で、税の納入や軍役を巡る摩擦が蓄積していた。


今回、和賀義勝と斯波氏宗は連合を形成。

紫波郡(岩手県紫波・矢巾地域)を戦場に選んだ。


つまり――

前々から南部氏に反抗的な豪族を、やっつけようという話だ。


和賀義勝と斯波氏宗の軍は四千。

俺達は五千で数的優位。

南部氏の軍は百ほどで、戦闘には参加せず観戦役である。


――南部氏をビビらせるくらい、綺麗に勝ちたい。


敵は自分の居城近くを決戦の場に選んだ。

その間には川幅四十メートルの川。

渡河戦を強いられる地形だ。


通常、渡河戦は最悪だ。

渡っている間は無防備になり、弓矢で削られる。

舟でも同じ。乗り込む間は無抵抗。


だから古来、名将は

「どう渡るか」

に知恵を絞ってきた。


夜に渡る。

水を堰き止める。

敵に気づかれない別地点を探す。


――だが、俺は別解を用意した。


<L字盾兼イカダ>


俺は新田次郎に、新兵器を開発させていた。

名付けて L字盾兼イカダ。


Lの縦部分が盾兼イカダ。

Lの横部分に車輪と持ち手、防御板を付ける。

要するに――

盾が付いた手押し車が、そのままイカダになる。


陸では手押し車として運搬。

この間も盾が前面にあるので安全に前進できる。


川に着いたらLを倒す。

縦板が浮力体、横板が甲板。

車輪部分を前にして弓矢を防ぐ。

二人乗りだ。


オールで漕いで渡河。

対岸に着いたら引き上げ、再び盾として立てる。

橋頭堡を作り、後続の渡河を守る。


陸では盾付き手押し車。

川では防御イカダ。

渡河後は再び盾。


【L字盾兼イカダ 構造図】


【陸上移動形態】


│ (兵士が手で押す)

│ (押している間も盾が守る)

│____________

○       ○

(車輪)   (車輪)



↓ 川に到着



【渡河形態】


○ │ (兵士が乗り渡河)

○ │__________

     (↑イカダ部分)


↓ 対岸到達



【再展開・盾形態】


│ (再び盾として使用)

│____________

○      ○



我々は遠征前、信濃川で実践訓練済みだ。

全員要領は分かっている。


仕上がり図面を安田に伏せていたが、

完成品を見せると――


安田

『これは船酔いしますね。水鬼さんがいないと』


イヤ問題はお前の船酔いより渡河だから。


<長弓援護と戦闘開始>


引き上げ時は無防備になる。

そこで川の両岸に長弓兵を二百ずつ配置。

さらに丸太と紐で二メートルの踏み台を設置した。


長弓の有効射程は百二十メートル。

和弓の三倍だ。

踏み台でさらに射程が伸びる。


【長弓援護配置図】


      ↑ 長弓の射程距離

    【 L字イカダ 渡河地点 】


__________________

   ↑       ↑

  ↑   川 (渡河中)   ↑

__________________

(長弓陣地)        (長弓陣地)



※ 両岸の長弓射程内でL字盾兼イカダが渡河し、

前面盾で矢を防ぎながら橋頭堡を築く。


ここで意外な活躍をした二人がいる。

重装歩兵の漫才師コンビだ。


踏み台を手際よく作り、

L字イカダの組立も早い。

皆に指導までしている。


次回から工兵転向だな。


長弓隊は黒崎弦隊長と、弟の仁副隊長。

ちなみに黒田リンは兄・弦の方へ行っている。


――リンは弟の仁を振ったのか?

心なしか仁が寂しそうだ。


さぁ、戦闘開始だ。


対岸には敵弓兵が百名ほど。

射程は三十メートル程度の旧式。


敵はL字イカダが射程に入るのを待つつもりだった。

――だが先に届いたのは、こちらの長弓だ。


次々と敵弓兵が射殺される。

驚きと絶叫。

逃げる後ろ姿にも矢が突き刺さる。


黒崎兄弟が抜きん出て多い。

次いで黒田リン。


L字イカダ二百艇、渡河開始。

長弓のおかげで敵の抵抗はない。

できることは罵声だけだ。


【接岸直後の戦闘配置図】


   (  敵 主 力  )


① L字イカダは敵主力方向へ盾を向ける

 │││││ ← 前面盾


② 側面から敵が突撃

→(L L L L L L L L)←

 側面なので防御が薄くピンチ


__________________


      川 (渡河中)


__________________


(長弓陣地)        (長弓陣地)



L字イカダを引き上げている無防備な味方に、

敵足軽が槍を突き立てに来る。


雷蔵

『盾兵を先に潰せー!』


敵盾兵は長弓を防ぐため盾を川側に向けている。

つまり雷蔵達に側面を晒している。


雷蔵の十字槍が盾兵を貫く。

盾兵が倒れる。

そこへ長弓の矢。

敵足軽が射殺される。


その中で――

スケベ大助次郎が暴れる。


盾兵の頭へハイキック。

片手十字槍で足軽を薙ぐ。


背後から切りかかられた瞬間、

長弓の矢がスパーンと敵の頭を貫いた。


スケベが見る。

黒田リン。


見惚れる。

アホだろコイツ。


雷蔵

『バカ、死ぬぞ!』


雷蔵が敵を斬り倒す。

スケベ再起動。


やがてL字イカダは全て接岸。

橋頭堡完成。


未渡河の重装歩兵二千六百。

舟五十艘で渡河を継続。


一時間後、全軍渡河完了。


盾を並べ、三列横陣を構築。


【最終包囲配置図】


(敵の後方へ軽騎兵二千突撃)

      ↓ 


  ( 敵 主 力 二千 )


 │││││ ← 橋頭堡完成盾列


(長尾軍 重装歩兵 三千)


__________________


      川 (渡河終了)


__________________


(長弓陣地)        (長弓陣地)



敵が千を切ったところで降伏勧告。

勝負あり。


渡河までが大変で、

渡河後は楽勝だった。


死傷者は百。

いつもならゼロに近い。


――渡河戦は厳しい。

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