第9話 1533年 3歳 操船学校を作るぞ
今回は海の学校づくり!
主人公の元・自衛官としての知識が本気で活きます。
越後海軍操練所のスタートをお楽しみください。
当時の日本の操船技術は、基本すべて 徒弟制度。
「背中を見て覚えろ」が当たり前で、
体系的に学ぶ場所なんてどこにも無かった。
だが俺は坂本龍馬ファン。
そして海のプロ。
つまり――
神戸海軍操練所を、越後に作ればいい。
その名も 「越後海軍操練所」。
ここを、越後の未来を開く海軍学校にする。
■ 先生は“実戦経験者”+“3歳児の海軍教官”
最初の教官は、
改造弁才船に乗った乗組員たち。
(実戦経験は大きい。士気も高い。)
そして時々、
俺も教壇――いや、甲板に立つ。
教える内容は、
・羅針盤の使い方
・天測航法(星の読み方)
・海図の扱い
・機走と帆走の癖
・和船と西洋船の操艦の違い
・突風・横波・潮流の対処
防衛大学校で叩き込まれ、
海上自衛隊で10年鍛えた俺には余裕の内容。
3歳児が黒板の代わりに海図を広げ、
真顔で講義をするというカオスな光景になるが、
実績があるので誰も文句は言わない。
■ 使用する練習船は、改造弁才船
訓練用の練習船として、しばらくは
俺の改造弁才船を使う。
速度も操縦性も高いし、
和船しか知らない者たちは
これだけで度肝を抜かれるだろう。
実戦&実物に勝る教材は無い。
■ 八坂正宗の反応
「若様、私も授業を聞きたいです」
天才造船家・八坂正宗が食いついてきた。
職人として、
船を作るだけでなく“船の運用”を知りたいらしい。
さすが知識欲モンスター。
俺
「授業のときに呼びに行くよ」
八坂
「必ず伺います!」
最強の造船家を味方に付けた上に、
その造船家が俺の授業を受ける日が来るとは……
なんだこれ。ちょっと気持ちいい。
★ 越後に、海軍の未来が始まる
まだ帆船は20メートル級。
だが、操船できる人材を量産できれば――
その先にあるのは
“越後海軍の誕生”だ。
いずれ造船・操船・航海・交易が一体化し、
越後は本物の海洋国家になる。
坂本龍馬が夢見た「海で開く日本」を、
俺は戦国時代から始める。
操船術、航海術、天測――これらを学ぶ場が越後に誕生しました。
この操練所が、後の越後海軍、遠洋航海、交易、そして海戦の基盤となっていきます。




