第87話 1537年 7歳 戦後処理だぞ
大宝寺戦、決着。
準備し、耐え、
そして――勝った。
これは、
「力」ではなく「選択」で得た勝利の話。
<戦後の面談>
大宝寺家領主、**大宝寺晴時(25)**と面談をする。
史実では、家臣や領民の不満を招いた男だ。
俺の後ろには、柿崎と宇佐美が控えている。
俺
「なぜ、宇佐美が降伏勧告をしたのに応じなかった?」
大宝寺晴時
「大名の座にある者が、七歳児に降伏なぞするか!
末代までの恥だ」
俺
「その七歳児に負けたのはお前だ。
お前は自己満足のために、
負けると分かる戦いを選び、
無駄に将兵を死なせた。
それも分からんか?」
大宝寺晴時
「武将たるもの、
あれだけ地形で有利を保って、
負けると思うのか?
後ろの宇佐美殿も、そうは思わぬか?」
宇佐美
「普通はな。
若様は特別なのだ。
大宝寺晴時よ、
多勢に無勢で勝てぬと知りながら戦った。
その罪は万死に値するだろう。
若様の裁きが下る」
大宝寺晴時
「……俺は、七歳の子供に裁かれるのか……」
――七歳、七歳と言うな。
俺の中身は三十二歳の元自衛隊幹部で、
お前より年上だぞ。
俺
「そうだ。
七歳の子供に裁かれろ。
一族郎党、財産召し上げの上、
全て追放処分とする。
これを恥と思い、死を選ぶなら勝手に死ね」
宇佐美
「今はまだ、若様の名は全国に広まっていない。
だから“七歳に負けた”が先に立つ。
だが、すぐに
“上杉龍義様に負けた。仕方ない”
になる。
命は、無駄に捨てぬ方が良い」
「若様に負けることは恥ではない。
多勢に無勢なら、当たり前なのだぞ」
大宝寺晴時
「……宇佐美殿に言われたのなら、納得する」
ちょっと待て。
俺の追放処分という甘い裁きへの感謝はどうした。
<処分と論功>
大宝寺晴時を追放した後、管理者を置く。
管理者には、
長年、祖父・長尾為景に仕えてきた代官を任じる。
祖父の話では、真面目な人物らしい。
後日、
祖父・長尾為景の兵士を千名ほど常駐させる。
無論、その分の費用は支払う。
居城に、見るべき財産はない。
二百貫ほど。
大宝寺氏の領地は、一万石。
これで、合計二万一千石高となる。
祖父・長尾為景が五万石なので、
まだまだだ。
論功行賞は一人。
志村大吾。百貫。
奥妙に隠された馬防柵の出入り口を、
志村大吾が見抜いた功績によるものだ。
志村大吾は、感動して泣いていた。
志村
「皆、若様にお願いしているので、
私も良いですか?」
……うわ。
ヤンキーと自来也を認めてしまったから、
認めざるを得ないな。
俺
「俺の出来る範囲内であれば」
志村
「堺に行く時、同行させて頂きたい」
俺
「大丈夫だぞ。来い」
また、嫁探しかと思ったよ。
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