第83話 1537年 7歳 新津焼が出来たぞ
前回は、揚北衆の問題を片付けました。
やるべきことは、まだ山ほどあります。
今回は少し毛色を変えて――
戦国だけど、焼き物の話です。
キムの磁器が40個焼き上がったと、新津から連絡が入る。
俺は安田、島田、水斗、真田を連れて、新津へ向かった。
新津城の門前には、
城主の新津と、キム・ペジョン、そして弟子八人が並んで待っていた。
キム
「若様、よくいらっしゃいました。どうぞお入りください」
……いや、それは城主・新津のセリフだ。
<新津焼きの正体>
新津城の御座の間。
そこには40の茶椀と大皿が並べられていた。
――派手だ。
金と銀を惜しげもなく使い、
花鳥風月をあしらい、
華やかそのものだ。
どの器も主張が強い。
うん、キム・ペジョンの性格そのままだ!
器に性格が出るのだな
この新津で作られた磁器は、
今後 『新津焼』 と呼称する。
茶の湯の連中からは酷評されるだろう。
だが、南蛮人からは――間違いなく好評だ。
新津焼きは一目見れば心が華やかな気分になるのだ。
皆好きになるだろう。
販売価格は、一つ十貫以上。
売上は四百貫。
新津が一割で四十貫。
キムが三割で百二十貫。
……だが。
俺
「キムの取り分は二百貫にする」
キム
「流石、若様。気前が良い」
俺
「将軍や天皇にも、新津焼として献上する予定だ。
そこでの評価と、堺で十個ほど売った際の反応――
どちらも大事になる」
キム
「若様、頑張ってよ」
俺
「頑張るのは、この皿たちだよ」
俺は、
世間で受けそうな絵柄や色使いを、キムと弟子たちにいくつか助言し、
新津城を後にした。
<帰り道>
帰り道。
安田が、やけにしつこく新津焼を褒めてくる。
どうやら、初めて見る“本物の芸術”に感動したらしい。
俺
「安田は、いつも頑張っているからな。
一つ、持っていけ」
安田は――
言葉を失った。
安田
「……ありがとうございます。
早速、神棚に置きます」
いや、
神様もびっくりする派手さだから、
それはやめた方がいいと思うんだが……。
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