第77話 1536年 6歳 俺の邸宅が出来たぞ!
佐渡ヶ島から無事に帰還!
祖父・長尾為景に、これまでの成果を全部報告しました。
<邸宅完成と体制再編>
四天王の直江に頼んでいた俺の邸宅が完成した。
直江津港の近くで、徒歩二十分ほど。
広さは東京ドーム半分くらいだ。
春日山城までは一時間ほどの距離。
俺の邸宅から徒歩十分の場所には港湾兵舎エリアがあり、
二万人分の兵舎と訓練場が併設されている。
長弓射場。
筋力鍛錬施設(再現マシーン)。
大規模演習場。
――正直、佐渡島と西洋帆船貿易のマネーがなければ不可能な規模だ。
事務の真田三人に、
「お前達が認めた奴なら、事務員はいくら増やしてもいい」
と、確かに俺は言った。
結果、事務員は六十人ほどに増えていた。
しかも真田は直江に、
「事務部屋は二百人収容です。今後さらに増えます」
と言っていたらしい。
……どこの大企業だよ。
もっとも、売上規模を考えれば大企業以上だが。
真田三人のうちの一人、
小田明道――
名前のわりに暗い男だが、
佐渡ヶ島の事務の頭を任せることにした。
事務員二十人ほどを連れて佐渡へ行かせる。
<佐渡金山を回す人間たち>
これから佐渡ヶ島では、
一万人の労働者を管理しなければならない。
加えて、四十万から五十万貫に及ぶ金銀の管理もある。
しばらくは小田明道に一任する。
この管理を大叔父達に任せる案も考えたが、やめた。
かつて自分の所領だった場所から出た金銀が、
別の所へ流れていくのを見るのは――
正直、不愉快だろう。
佐渡ヶ島は、
金城三兄弟を管理できる人間でなければならない。
条件が厳しく、まだ適任者はいない。
真田に
「事務員をさらに増やせ」
と言ったら、嬉しそうに
「お任せ下さい」
と返ってきた。
……こいつ、人集めの才能があるな。
そこで真田に、次の人材を探して雇用するよう指示した。
農業指導員、大量。
事務員、大量。
鍛冶屋、大量。
戦闘力最強、いれば。
将来、人事を任せるかもしれない。
ちなみに、俺の部屋の隣は、
ちゃっかり安田が占拠していた。
安田
「若様に何かあった時、すぐ駆けつけなくてはいけませんから
若様の好きな蜂蜜団子は常に用意しておきますので、
任せておいて下さい」
蜂蜜団子は、安田の好物だろ!!
<飛猿、誕生>
そんな中、
軒猿の加藤と赤目との間で、勢力争いが勃発していた。
放っておけば血を見る。
俺は早めに、言い合いの間に入った。
加藤
「若様から国人は我ら軒猿に任されている。
赤目なぞ、来る理由もない」
赤目滝
「我らは若様と共に蝦夷地や佐渡ヶ島に転戦しておった。
その時、貴殿は遊んでおったのだろ。
羨ましいのう」
俺
「――控えろ。加藤も、赤目滝も」
俺
「はっきり言う。
軒猿で使えるのは、今は加藤だけだ。」
俺
「資金を渡す。
加藤は部下を鍛え直せ。
屋敷周辺の警護は加藤の担当だ」
俺
「赤目滝。
夜分に呼び出すこともある。
俺の部屋の隣を、赤目一族の部屋としてよい」
加藤は、がっくりと肩を落とした。
俺
「加藤。
お前の器量は、軒猿の首領・藤猿一を超えている」
俺
「だが今のままでは藤猿一止まりだ。
その程度の能力では、俺は使わん」
俺
「藤猿を呼べ」
やがて藤猿が現れ、平伏する。
俺
「俺達は佐渡ヶ島を支配し、蝦夷地を占拠している。
このままでは、軒猿の活躍の場はなくなる」
俺
「そこでだ。
加藤を俺の専属とし、
現在の部隊十二人を軒猿から独立させる」
俺
「『飛猿』を名乗れ。
反論は許さん。承服しろ」
藤猿の顔が歪む。
一方で、加藤はわずかに嬉しそうだった。
藤猿一はイヤな上司で加藤は意地悪をされていたのだ。
出来る部下に上司が意地悪をする、
ダメ企業のサラリーマンか!
藤猿が退室し、加藤と二人きりになる。
俺
「今日からお前は、飛猿の首領だ。
部下の命は、お前が預かる」
俺
「自分と部下の能力を、徹底的に伸ばせ。
――これで、里を作れ」
百貫を渡す。
加藤は、
自分がここまで評価されていたことに、
しばらく言葉を失っていた。
加藤
「(涙目で)……飛猿、必ず……!」
俺
「期待してるぞ」
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