第70話 1536年 6歳 佐渡ヶ島港で戦うぞ
前回――
佐渡で金と銀を見つけた凄腕山師、金城兄弟が
本家本間に拘束された。
だが、長尾家には動ける理由がある。
これは私闘ではない。
幕府公認の、介入だ。
佐渡ヶ島へ、兵を出す。
直江津から佐渡ヶ島までは、約三十キロ。
西洋帆船七隻を使い、
五往復で兵五千・馬二千頭を運ぶ計画だ。
一回目で二千五百人。
二回目で残りの兵。
残る三往復で、二千頭の馬を輸送する。
最初の一回目には、主要メンバーが乗る。
軍団監督の柿崎と宇佐美。
そして、風馬、水斗、島田。
赤目は――
蝦夷地に行った五人、
赤目滝、霧狼、夜雀、水鬼、影牙。
水鬼がいないと、
守役・安田の船酔いが治らない。
直江津を朝四時に出港。
佐渡ヶ島・小木港まで十二時間。
夕方十六時、到着。
……やっと着いた、
そう思った瞬間だった。
港から怒号が飛ぶ。
「長尾家の者は帰れ!」
弓矢が、降り注いできた。
本家本間の兵――
ざっと二百人ほど。
日没まで、残り三時間。
選択肢は三つ。
案一
一度引き返し、沖で休み、朝に攻める。
案二
強行突破。
案三
一部を上陸させ、後方から挟撃。
……考える時間はない。
案二だな。
こちらは二千五百。
相手は二百。
兵力差で、地形不利を覆す。
甲板に、
長弓兵と重装歩兵を約百二十名並べる。
射撃戦を開始。
そのまま船を強行接岸。
下は海だ。
軽装で、片手十字槍のみを持たせる。
重装歩兵では浮かない。
むしろ、邪魔になる。
本家本間の兵は、
遮蔽物の後ろに隠れ、
船からの矢を避けている。
そこを――
片手十字槍で、
遮蔽物の奥ごと突き刺していく。
十七時。
港は、制圧した。
だが問題はここからだ。
港は、本家本間の勢力圏。
夜襲を受ける可能性がある。
赤目に、全包囲偵察を命じる。
結果――
夜襲の危険はない、との報告。
暗くなってきたため、
全員を上陸させる。
残りの船六隻は危険だ。
沖合に停泊させておく。
やがて、赤目滝が戻る。
「付近に人影なし」
本家本間は、
分家本間との戦で二敗している。
戦争には、弱い。
今回の港の騒動も、
本家本間の一部が勝手に仕掛けたものだろう。
俺が本家本間なら――
夜襲をかけ、船を焼く。
だが、それは来なかった。
今夜は、港で野営する。
百名ほどを、
夜襲対策の警戒に就かせた。
戦いは、
まだ始まったばかりだ。
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