第56話 1536年 6歳 蝦夷地に向かうぞ 準備編②
前回は、船酔いという大問題が無事に解決しました。
今回は、蝦夷地で何を交易するのか。
準備の中身を整理していきます。
アイヌとの交易に用意した商材は、
米、塩、衣類、越乃柿酒、越乃枇杷酒、越後上布、刀、弓、植物油、蜂蜜、そして大工道具だ。
中でも目玉になるのが、大工道具である。
これらは、少し前に開発したばかりのものだ。
鋸
鉋
鑿
玄翁
墨壺
指矩
罫引
釿
錐
そして――ハンドル付きの穴開けドリル。
転生前では当たり前のように目にしていた道具だが、
この戦国時代には、まだ存在していなかった。
それに気付き、まとめて開発したのである。
この大工道具は、船大工の八坂政宗に大好評だった。
実際に手に取った船職人の熊も、
じっと見つめて離さない。
熊
「……欲しい」
俺
「熊、そのうち持って行ってやる」
どこへ行っても、越乃柿酒と越乃枇杷酒は大好評だ。
そのため、一年前に越後海酒造工場の生産量を三倍に増やしている。
酒を造っている越後海酒造は、当然ホクホクだ。
これまでは米から作る清酒も並行して生産していたが、
清酒の製造を止め、
越乃柿酒と越乃枇杷酒に完全に切り替えた。
越後海酒造を中心に雇用が生まれ、
町には目に見えて好景気が訪れている。
これは酒造だけではない。
船工場も、武器工場も同じだ。
どちらも増産体制に入り、雇用を拡大している。
結果として――
春日山城を中心とした直轄地一帯は、確かな好景気に包まれていた。
交易品と生産体制の整理回でした。
次はいよいよ、蝦夷地そのものへ。
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