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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第4話 1533年 3歳 石けんを作るぞ

主人公が3歳にして「家督争いを勝ち抜くための基盤作り」を始める章です。

政略のための教養、父との距離感、そして商品開発として“石鹸”を生み出すことに挑みます。

ここから物語は経済パートと人間関係が一気に動き始めますので、ぜひお楽しみください。

三歳になると、戦国越後の厄介な人間関係がだんだん見えてきた。


まず俺は手紙を書くために、

崩し字と戦国独特の言い回しを勉強中。

三歳児がやる内容じゃないが、未来のためだ。やるしかない。


父・長尾晴景は温和そのもので、

武より短歌と蹴鞠を愛する文化系男子。

しかも俺に毎日、


「猿千代、短歌を詠め。蹴鞠も覚えよ」


と強制してくる。

すまん父上、俺は軍事厨だ。

毎回華麗に逃走している。


そして父とは対照的に、

守役の安田実秀は俺に激甘。

初めて会った瞬間たぶん“SSR育成キャラ”だと確信した。


そんなある日、ふと思い出した。


「あっ、中学の自由研究で石けん作ったわ」


この世界は石けんが貴重。

つまり俺、大儲けできるのでは?


問題はどう説明するか。

三歳児が科学知識を披露したらヤバい。

そこで俺は必殺の言い訳を用意した。


■ 石けん誕生(神様のせいにする)


「夢に知識の神・八意思兼神が出てきてさ、作れって言われたんだ」


安田

「若様、それは大変なことです。では今夜から毎日寝てお告げを……!」


寝られるかぁぁ!


とはいえ甘やかしは嬉しい。


安田に「油いっぱい買って」と頼んだら、

本当に山ほど買ってきてくれた。神か。


原料は植物油。

そこに植物の灰から作った灰汁を混ぜ、

ひたすら攪拌し、型に流して熟成。


地味な作業だが、

三歳児がやってると思うとシュールで笑える。


■ 評判、爆発する


できた石けんを

祖父、安田、乳母、国人衆に配りテスト。


安田が実際に手を洗って――


「な、なにこれ……泡? すごい!?」


すげえ顔された。

俺、ちょっとドヤ顔。


そのまま御用聞きの春日商店の番頭にも実演したら、

こっちも目が点。


翌日――


春日商店の主人が“恵比寿顔”で来た。


これは勝った。


■ 商談成立(3歳児、初の企業契約)


主人

「これ、武家にも寺にも売れますぞ!」


交渉の結果、


石けん1個=500文


という高級品扱いに。

日雇い労働者の10日分の賃金である。

ヤバい。完全に金持ちの贅沢品。


そのまま 500個一括買取 の契約成立。

三歳児が戦国時代で初の大商談を成功させてしまった。


ただ問題は生産体制だ。

父母は役に立たないので安田に相談したところ――


安田

「倉を使ってください。人手はこちらで用意します」


神だった。


■ 売上と取り分


・来月も500個作れれば

 → 俺の取り分:200貫(現代換算1000万円)

 → 安田の取り分:50貫(250万円)


三歳児の月収として意味がわからないが、

ありがたく受け取ろう。


春日商店が毎回買うとは限らないのが悩みだが、

まずは財力=生存力だ。


安田の甘やかしは天井知らず。

普通の三歳児なら依存モンスターになってるところだが、

俺は中身32歳なので精神年齢バランスは保てている。多分。


■ そして弟が生まれた


そんな折、弟が誕生した。

母の体調を思うと……父よ。頑張ったな。

どう見ても母の実家(上杉定実)への

「娘を大事にしてるよアピール」だ。


それでも家は丸く収まる。

俺の商売は順調。

名も売れ始めた。


――軍神おじさん(謙信)。

甥っ子はじわじわ勢力を伸ばしてるぞ?


戦国3歳児の“歴史改変”はまだ始まったばかりだ。

戦国で3歳が石鹸作ったら、そりゃ皆驚きます。

でもこれが後に越後を支える大産業になる伏線です。

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