第261話 1540年 10歳 安東家 を攻略するぞ(⑤ 斜線陣を攻略するぞ)
1 決戦
檜山城南麓・檜山川河岸平野である。
ここに檜山安東(本家)の兵士八千人だ。急遽集められた者が多いため、士気や練度に差が目立つ。
強兵か弱兵かの見分けは簡単である。
老人や少年だらけで、武装も貧弱であれば弱い。
目の前の二千人ほどが弱兵で、一番左端に集められていた。
普通位二千人が真ん中。
強兵(長尾家よりは弱い)二千人が右端にいる。
並びから、相手方の作戦がある程度読み取れる。
俺達が先手を取ると左端の弱兵に軽騎兵を突撃させるので、それで相手の戦線は崩壊する。
相手は困るので、相手が先手を取り、強兵を突撃させる斜線陣と予想を立てる。
対策を急いで何人かに下知。
すると新人の呉狼が面白い事を言って来たので採用とし、用意させる。
ーー呉狼とは前回の武芸大会と戦略戦術試験で準優勝した男で、元ヤクザの親分だ。
<緊迫>
敵はこちらの予測通り、斜線陣で来た。
図1 開始陣形
檜山城
侍大将小田
弱弱弱普普普強強
↑
長尾家が先手をとり
ここ攻めると
敵崩壊
重 重重重重重重
騎 遊撃 騎
親衛隊
龍儀
図2 斜線陣
侍大将小田
弱弱
弱
普
普
普
強強
↑ ↑
↑ 弓矢集中
↑ ↑ ↑
重重重重重重重
騎 遊撃 騎
親衛隊
龍儀
敵の狙いは、長尾家の右端を突破して大将である俺の首を取る事だ。
相手が斜線陣を取る事はわかっていたので、敵の先頭に弓を集中させて前進速度を落とす。
次に敵斜線陣の側面に呉狼が騎馬で近づき、震天雷(明国の技術で作られた鉄球に火薬と鉄玉が入った爆弾)を炸裂させて穴を開ける。
そこへ軽騎兵が敵斜線陣の側面へ突撃して、敵先頭集団に対して後方から攻撃する。
図3 敵斜線陣の側面突破
侍大将小田
弱弱
弱
普
②軽騎兵→①震天雷
<前後に敵を分断>
普
強強 騎
弓矢 ↑
重重重重重重重
遊撃
親衛隊
龍儀
俺の狙いは、敵の強兵を前方と後方に分断して各個撃破することだ。
斜線陣の側面を突破した軽騎兵は敵を後方から攻撃する。
そして重装歩兵は突破してきた敵を前方から捉える。
それで包囲殲滅が完成である。
図4 包囲殲滅完成
侍大将小田 50名
弱弱
弱
普
重重重重
遊撃 騎
重強強 騎
重重
<龍義を守る者が親衛隊しか
いなくなった>
親衛隊
龍儀
味方の残りは敵の弱兵や普通兵を蹴散らす為、前進する。
しかし図らずも、俺の前方には親衛隊しかいなくなった。
これを見逃さなかったのは敵侍大将の小田である。
侍大将の小田は五十名の決死隊を連れ、俺の首を取りに突撃してきた。
俺を守る親衛隊は三百名だ。
<危機!>
図5 小田突撃図
檜山城
弱弱
弱
普
重重重重
遊撃 騎
重強強 騎
重重
侍大将小田 50名
対
親衛隊300名
龍儀
こういう機会は滅多にないので、武功を上げれると喜ぶ親衛隊。
島田と水斗が「若様の周りを固める事が親衛隊の役目ぞ。20席までは前線に出るな。若様を守れ」と下知。
侍大将の小田がやはり目立つ。
小田は無謀ではない。
だが“今しか首を取れぬ”と踏んだ。
親衛隊員が皆、小田に注目する。
安東の突撃してきた兵士の影に隠れ、乾坤一擲を狙う者が一人。
十メートルほど離れた距離から、俺目掛け短刀を投げてきた。
咄嗟に俺に覆いかぶさる男がいた。
名は小歳(第四席)。新人だ。
敵にすれば、小田で注目を浴びさせて、その影で俺を短刀で仕留める作戦だったようだ。
小歳のおかげで助かった。
短刀を投げて来た男は立ち所に斬られ、侍大将小田五十名の決死隊は消滅した。
弱兵の一部が檜山城に逃げ込み、安東軍はほぼ全て消滅した。
図5 終戦図
檜山城 (弱弱 逃げ込む)
重重重重
遊撃 騎
重 騎
重重
親衛隊300名
龍儀
俺「小歳、お前のおかげで助かったぞ。ありがとう」
島田「小歳 よくやった」
水斗「本当だ」
親衛隊は皆で小歳の背中をパンパン叩き、お祭り騒ぎである。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、
ブックマークや、評価ポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★にして
応援していただけると、とても励みになります。
皆様のブックマークと評価が、
今後の更新の大きなモチベーションになっています。
どうぞ、よろしくお願いいたします!




