第256話 1540年 10歳 龍義の妹が可愛すぎる、でも家族関係が危ない
<気になる妹>
俺には妹、於松(7)がいる。(第4話参照)
今までは母が手元で育てていた。
俺と母は1530年の事件以来(第2話参照)、疎遠である。
俺は父とも疎遠である。父の文化(短歌、茶の湯)活動強要に辟易しているため疎遠なのだ。
このため、今まで妹の於松とも、正月に顔を見る位の関係で疎遠であった。
しかし父母とは違い、俺の方は金回りもよく、極めて華やかなのである。
父母に於松は、兄の活動は特殊だから近寄ってはいけないと言われていても、7歳の女の子ともなれば近寄りたいのが普通である。
ここで間に入るのは祖父・長尾為景だ。
於松を俺の所へ連れてきて、ちょっと相手をしてやれと置いて行った。
はしゃぐ於松。
俺は料理長に甘いお菓子を沢山用意させる。
(林爛々に任せると在庫を食べまくるので、料理長が嫌がる)
菊姫は通常業務に忙しいので、後から登場するとのこと。
ここは鶴姫と安田に任せる。
俺が見に行くと、むしゃむしゃ甘いお菓子を食べている於松と、それを微笑みながら相手をする鶴姫がいた。
於松「お兄様、お邪魔してます」
口の中からお菓子の破片が出てくる。
(安田か!!)
俺「とりあえず、口の中のものを全部飲み込んでからお話しなさい」
鶴姫が飲み物を渡す。
於松がグビグビ飲んで――
於松「(ゴクン)お兄様の所にずっーーーと来たいって、お祖父様(長尾為景)にお願いしていたら叶ったの」
俺「お祖父様に頼まなくても、侍従に頼めば俺の邸宅くらい連れてきてくれるだろうに」
於松が首を振る。
於松「お父様とお母様がお兄様の所は危ないから近寄ってはいけませんよ。蝦夷地に売られて、クマに食べられるよ、って言われてたけど、ウソだと分かってた。
後でお父様お母様に怒られるのもうるさいし。お祖父様を通したら何も言われないのがわかってたから頼んでいたの」
って言うか、あいつら俺をそこまで悪く言っているのか(怒)
<ちょっと危ない教育>
俺「お父様とお母様がうるさく言って来たら、必ず効くおまじないをさずけよう。これを言えば立ち所に黙るという魔法の言葉だ」
於松「そんな、便利なおまじないがあるの!!
教えて、教えて」
俺「良いか、お父様かお母様がうるさく於松に言って来たとする。
そしたら『お兄様に言って援助金減らしてもらおうかなーー』と言っておけ。
お父様とお母様は必ず黙る」
於松「わかった『お兄様に言って援助金減らしてもらおうかなーー』ねー、使うわ」
鶴姫「(苦笑)ダメですよ龍義様、7歳の女の子にそんな言葉教えちゃ」
俺「だって聞いただろ、あの酷い言い草。誰がお金を稼いでいるか教えてやらないと」
安田「若様、珍しく真面目な話をします。於松様の最終教育をするのは誰がするのかは、長尾為景様とご相談された方がよろしいかと思います。
若様の最終教育は私でしたが、於松様の最終教育は今の所、御母上となっております」
俺はびっくり、安田は時々真面目になるのだ。
俺「お前、安田の偽物じゃないのか? 本物はどこへやった?」
安田「私だって、たまには真面目なときもあります」
そこへ菊姫が着物職人を連れてきた。
菊姫「於松様、ご無沙汰しております。今回はお召し物を進呈したいなと思い、着物職人を連れてきました。於松様は可愛い感じと綺麗な感じのどちらがスキですか?」
着物職人が柄を見せていく。
はしゃぐ於松。
<このままで済むのか>
そんなこんなで夕方になり、俺だと警戒されるので、鶴姫と安田で於松を送っていくことになった。
菊姫「新しい着物は出来たら届けた方が良いの? それともここに来てから着た方が良いの?」
於松「菊姫ちゃん、私、ここに来てから着たいの。菊姫ちゃんみたいな髪型にもして欲しい。今日来てすっごく楽しかった。菊姫ちゃん、鶴姫ちゃんありがとうございます」
於松は二人に深々とお辞儀をした。
於松、肝心な俺への挨拶を忘れてるぞ!!!
於松は安田に手を引かれて、自宅へ帰っていった。
菊姫「於松ちゃん可愛いかったですね。しかし、龍義様の所、ご両親との関係を見直さないといつか必ず問題が出て来ますよ」
菊姫の言う事は正しい。
俺「わかってはいるんだけどね……。とりあえず、美味しい夕食でも一緒に食べようか。美味しい魚が入ったらしいから楽しみだ」
菊姫「うん」
俺と菊姫は、今日一日の出来事を報告し合った。
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