第207話 1539年 9歳 天才鍛冶、嫁に逃げられた理由
蝦夷地に出発するまでの間、色々片付ける。
小西商店で国友村から当代随一の鍛冶職人を紹介された。
根鳥右衛門と息子の悟郎3歳だ。
しかし根鳥右衛門は嫁に浮気され、
俺が根鳥右衛門の嫁兼任で悟郎の母を探す事を条件に越後に来てもらった。
嫁探しと言えば菊姫であるが、浮気だ何だと刺激が強いため嫁探しを安田に任せていた。
だが、どうもうまくいってないようだ。
そこで菊姫の乳母と菊姫に了解を取り、
根鳥右衛門と悟郎と安田の話を聞くことにした。
<困った縁談>
俺
「安田、どういう状況なのか?」
安田
「根鳥右衛門が気に入った女性は悟郎がイヤだと言い、
悟郎が良いという女性を根鳥右衛門が気に入らないという状況です。」
乳母
「まぁ、それは根鳥右衛門さんが悟郎さんのために我慢するべきでしょう」
根鳥右衛門
「確かにそうなんでしょうけれども、前の嫁に見せても恥ずかしくない
国友村の奴らに自慢出来る嫁が欲しいんです」
乳母
「それは了見違いですよ。
結婚は自分のためにするもので見栄のためにするものではないですよ」
根鳥右衛門
「それはあんたが正しいよ。わかっているけど抑えきれないんだよ。
わかんないだろ、自分の嫁が隣の職人と出来てたなんて(涙)」
俺は安田に小声で聞く。
俺
「根鳥右衛門のだじゃれのクセがなくなっているけど、どうした?」
安田
「苦労しましたよ。
ダジャレが原因で浮気されたんじゃないか、という事で徹底的に直させました」
俺
「一歩前進だな」
安田
「一歩前進です」
ここまで聞いていた菊姫が口を開く。
菊姫
「原因がわかりました」
皆、何のことやらである。
菊姫は安田に小声でごにょごにょと話す。
安田
「なーるほど、確かに。
それでしたら心当たりがありますので、当たってみます」
菊姫
「お見合いには私も立会ます」
安田
「お願いします」
俺
「菊姫、何がわかったんだい?」
菊姫
「龍義様には、うまくいってからお知らせしますよ」
と、いたずらっぽく微笑まれた。
<半年後>
6ヶ月後。
根鳥右衛門の縁談が上手くいったというので見に行く。
根鳥右衛門のそばには、
たくましい感じの職人の女性がついていた。
女性職人は根鳥右衛門を尊敬の眼差しで見ている。
そばには悟郎が遊んでいる。
新しい母親に馴染んでいるようだ。
俺は菊姫に話を聞く。
菊姫
「根鳥右衛門が浮気された原因は、仕事のしすぎで奥さんの相手を全くしなかった事です。
根鳥右衛門は、自分は仕事を一生懸命しているのだから奥さんはそれをわかってくれると
勘違いをしていたのです。
なので根鳥右衛門は仕事の腕は超一流なので
その仕事が分かってくれる女性であれば根鳥右衛門の心は安定しますし、
女性も尊敬出来る男性のもとで幸せです。
悟郎さんは尊敬する男性の息子なので女性も大事にします。
悟郎さんも最初はなつかなかったみたいですが、
気長に愛情を持って接すれば分かってくれたみたいです」
俺
「流石、菊姫だ」
俺が菊姫の手を握る。
安田
「オッホン」
と、わざとらしい咳払い。
乳母も
「オッホン」
と、わざとらしい咳払い。
俺
「見逃してくれよ」
安田乳母
「駄目です」
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、
ブックマークや、評価ポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★にして
応援していただけると、とても励みになります。
皆様のブックマークと評価が、
今後の更新の大きなモチベーションになっています。
どうぞ、よろしくお願いいたします!




