第186話 1539年 9歳 三好氏の攻略をするぞ (松永久秀、裏門を開く)
<忍び込む影>
飯盛城に着く。
黒子はすでに敗残兵に紛れ、城内へ入り込んでいた。
俺の所に松永が現れる。
頭には包帯。
白布の端から、赤い血がにじんでいる。
俺
「……お前、大丈夫か?」
松永
「大丈夫です、兄貴」
声は落ち着いている。
俺は、黒子がすでに城内にいること、
そして表門を叩き続けている理由を説明した。
城内の黒子は、屋根裏や倉庫の片隅に潜む。
敵兵を休ませれば、黒子が見つかる可能性が高まる。
松永
「では――今夜、実行ですね」
静かな夜気が、張りつめる。
<夜襲、静寂の破断>
夜。
敵兵の大部分が寝静まるころ――
黒子は裏門の門番を斬り伏せ、音もなく門を開いた。
そこへ一気に雪崩れ込む松永軍。
陣頭に立つのは松永久秀。
続いて長尾軍が入る。
寝ていた三好軍も叩き起こされ、身近にある武器を取り応戦する。
黒子は裏門を開けた後、すぐさま奥の部屋へと突き進む。
立ちはだかる三好兵。
次々と退けていく北爺や大谷。
奥の部屋へたどり着く。
そこには標的――三好政康、三好長逸。
北爺がふすまを開ける。
<不気味な笑み>
北爺の目の前にいたのは、松永久秀。
命乞いをする三好政康は、すでにその場に倒れ伏している。
三好長逸も、動く気配はない。
松永久秀は、黒子の北爺に気づく。
ニィッと笑う。
長年戦場にいる北爺も見たことのない、不気味な笑顔。
得体の知れない化け物が笑ったような感触。
北爺は俺の所へ来て報告する。
北爺
「……松永め。
秘密の抜け穴から、三好のいる奥の間へ行ったようです」
柿崎
「どうやら松永は、我々の所に来た時からこの絵図を描いていたようですね」
俺
「そのようだな」
やがて俺の所へ、首二つを抱えた松永が現れる。
松永
「兄貴、あらためて下さい。三好政康・三好長逸です」
俺
「三好実休はどうした」
松永
「私が行った時には既に退去した後でした」
俺は北爺の顔を見る。
小さく頷く。
どうやら真実のようだ。
俺は城内の三好兵に告げる。
三好政康・三好長逸は討たれた。
投降せよ、と。
誰かが震える声でつぶやいた。
「三好はもう終わりだ……」
大部分の兵士が降伏した。
こうして、俺達の三好戦は終わりを告げた。
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