表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/25

第16話 1534年 4歳 上洛したけど....

上洛目前、主人公に思わぬ災難が降りかかります。

100人の賊による急襲、

まだ四歳の主人公が巻き込まれるスリリングな章です。

京都まであと少し。

広く開けた街道を進んでいた俺たち御一行は、

突然――


騎馬100人の盗賊団に襲われた。


こちらは祖父・長尾為景が連れてきた精鋭60名。

数は劣るが、質が違う。


雷蔵・風馬・水斗もすでに構えており、

安田長秀は冷静沈着。

守役安田は俺の前に立ち、刀を抜いてガードする。


「さすが俺の陣営!」

と思っていたところへ――


■ 足利家を名乗る騎馬隊登場


後方から6人の騎馬隊が突撃し、

盗賊団の中央を突破して叫んだ。


足利家来

「将軍家の者である! 迎えが遅れてすまぬ!

 若様はこちらへ!」


空馬2頭を出し、俺を急かす。


守役安田が抱えて乗せようとすると、


足利家来

「いえ、若様はこちらで!」


そう言って俺の刀を取り上げ、

俺を奪うように馬前へ抱き上げた。


違和感。


だがそのまま強行突破する形で走り出した。


そして――


安田の馬の喉を、目の前の騎馬隊が刺した。


馬は転倒。

俺と安田の距離は一瞬で離れていく。


気づくのに数秒で十分だった。


■ 足利家の兵ではない。


誘拐だ。


■ 廃寺・監禁 ― 4歳児の脱出作戦


連れてこられたのは、

山中の壊れた古寺――盗賊団のアジト。


リーダーらしき男が言った。


「お坊ちゃんと、越後からの献上品を交換してもらう。

 わざわざ連れて来たんだ、有難く思えよ。」


部屋に閉じ込められた俺は、

縛られた手首と見張りを観察していた。


広い窓。鍵付きの扉。外に見張り1名。

後ろ手ではなく、前で縛られている。


(ご飯を食べさせるためだな。)


逃げるしかない。

祖父は賊になど屈しない。

そもそも屈したら越後の国人衆が反乱を起こす。


俺自身の脱出しかない。


買収 → 無理。

力づく → 無理。

床下 → 4歳には無理。


詰んだ……と思ったが、閃いた。


★ 真夜中 ― “脱出作戦”始動


夜中2時。

俺は見張りに声をかけた。


「おじさん、おしっこじゃなくて……うんこ……。

 漏れちゃう……。」


見張り

「ガマンしろよ」


俺「 洩れちゃうよ 明日クサい子ども抱えて馬乗るの嫌でしょ?おじさんお頭に怒られるんじゃないの?」


見張り

「……ちっ。早く済ませろよ。」


外の汲み取り式厠へ案内された。


「見られてたら出ない~~~。後ろ向いてよ。」


(見張りが後ろを向いたら見張りの刀を奪って逆転だ。)


見張り

「見張れって言われてるんだよ。早くしろ。」


(ダメか、後ろ向かないか……と思ったが、まだだ。)


閃いた、俺は 自分のうんこをたっぷり手に取った。 暗がりだから見張りは俺の手のうんこはわからない。


「終わったよ、おじさん。」


見張りは俺の顔を見る。

つまり 目が開いている。


その瞬間――


俺はうんこを全力で顔面に叩きつけた。


見張り

「うぎゃあああ!!?!」


見張りが怯んだ一瞬で刀を奪取。

喉を突き、一撃で倒した。


(前世自衛官の意地、ここに見せた。)


縛られた手は、地面に突き刺した刀で切断。

自由になった俺は、アジトに戻り――


アジトの松明の火を次々と倒し、。


廃寺はすぐ火の手に包まれた。


■ 足跡偽装 → 木の上潜伏


脱出ルートをごまかすため、

自分の小袖を小道の枝に引っ掛けておいた。


盗賊団は「広い道へ逃げた」と思い込む。


俺は逆に、

人が通らない藪の奥へ20分進み、木に登って夜明けを待つ。


火事の光が見える。

(気づけ、雷蔵……!)


そのとき――犬の声。


盗賊団のリーダーと手下、犬2匹だ。


犬に小袖の匂いを嗅がせたか……

反則だろ


木の下で犬が吠え、リーダーが怒鳴る。


「てめぇ、よくもやってくれたな!!」


木をガンガン蹴り始めた。


「怖いよぉ~。蹴らないでよぉ。

 今降りるからぁ……」


リーダーが更に怒りガンガン蹴る。



――今だ。


俺は 帯を外し、リーダーの顔に投げつけた。


目が逸れた瞬間、

木から飛び降り――


3mの落下速度で、首を一刀両断。

 リーダー、絶命。


続けざまに手下の太ももへ刺突。

距離を取る。


犬2匹がギャアギャア吠える。


手下

「糞ガキ……絶対殺す……!」


その瞬間――


ヒュッ!


矢が飛び、手下が倒れた。


雷蔵

「若ァァァッ!!」


風馬、水斗も駆け寄ってくる。


雷蔵の顔は、泣きそうだった。


■ 無事に御所へ帰還


室町御所に着くと、

皆が歓声を上げて迎えてくれた。


守役安田は号泣。


安田

「若ぁ……ご無事で……うぅ……!」


祖父為景も安堵の表情だった。


俺は水をがぶ飲みし、

おにぎり3つ一気に食べた。


そして、脱出の方法を説明すると……


祖父為景

「糞で反撃は長い戦史で初めてだろう。

 猿千代でなければ出来んわ!」


安田長秀

「父が“若は神の化身だ”と言ってましたが……

 本当だったのですね。」


どうやら名将・安田長秀に

しっかりと“格上げ”されたらしい。


その後はもう眠くなり、皆に断って就寝。


――寝る直前に気づいた。


(うんこついた手……

 洗わないでおにぎり食べちゃった……

 やっちまった……)

主人公にとって“越後の後継者”としての覚悟が深まる章となりました。

次回はいよいよ室町幕府での謁見編。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ