第15話 1534年4歳 そうだ京都に行こう
今回は上洛の旅のスタート!
船酔いする守役安田、外交で光る主人公の会話、
そして六角定頼との“坊主トーク”まで盛りだくさんです。
春。
波が穏やかで、風の巡りもよく、
絶好の航海日和になった。
今回の遠征は、
弁才舟改 1隻 + 通常弁才舟 2隻
総勢60名 の中規模艦隊。
速度の違いを計算し、
弁才舟改が先に到着して交渉や手続きを担当し、
普通の弁才舟は後からゆっくり追いつけばいい。
もちろん今回も――
守役・安田は酔っている。
出航直後からゲーゲーだ。
俺
「無理しなくていいよ? 陸で待っててもいいんだぞ?」
安田
「若の行く所なら……どこへでも……うぷっ……!」
ほんとに来るなよ、と思いつつも嬉しい。
今回は心強い仲間がいる。
安田長秀。
後の川中島合戦で名将となる人物だ。
頼もしいにもほどがある。
■ 敦賀到着 → 朝倉孝景と会見
風も波も完全に味方し、
予定通り 敦賀港 に到着。
普通の弁才舟が来るまで時間があるので、
先発組で朝倉孝景に挨拶。
もちろん祖父・為景が一緒なので
朝倉も丁重だ。
やがて後から来た弁才舟組とも合流し、
馬や雑具を朝倉家から貸し与えられた。
朝倉家との関係は良好。
これなら越前経由のルートは安定する。
■ 近江へ → 六角定頼との会見
次に近江へ入り、
六角定頼 と会見。
俺が持参した贈り物は四つ。
越後上布
越乃柿酒
蜂蜜
石けん
銭
六角定頼は目に見えてニコニコする。
六角
「いやぁ~よい品ばかりよ。
越後は宝の国か?」
機嫌がいいので、話題の矛先はこちらに向く。
六角
「お主、若いのにして『神のお告げ』が聞けるそうじゃな?
神は儂に何か申しておったか?」
俺
「坊主には注意、と。」
六角
「坊主は神の手下ではないのか?」
俺
「最近の坊主は、人を殺しても
“極楽に導いた”と平気で言いますからね。」
六角
「確かにのぉ……」
ここで畳みかける。
俺
「私どもも一向衆には手を焼いております。
よろしければ、一向衆の動向について
情報交換を続けていきませんか?」
六角
「うむ、それがよい。
互いに得のある話じゃ。」
――交渉成立。
★外交も、海も、すべて俺の掌の上
石けんで得た資金、
蜂蜜団子で動く安田、
造船力、海軍訓練、武器改良、
そして航海術。
全てが噛み合い始めている。
六角と朝倉を抑えた今、
近畿への地盤も固まりつつある。
六角定頼との会話も盛り上がり、外交は順調そのもの。
安田のゲロゲロも安定のギャグ枠でした。




